Proton、プライバシー重視のスプレッドシート「Proton Sheets」を発表 – Google SheetsやExcelの代替に

プライバシー重視のサービスを提供するProtonは本日、エンドツーエンド暗号化スプレッドシートのウェブアプリケーション「Proton Sheets」の提供を開始しました。これは、Google SheetsやMicrosoft Excelに代わるプライバシーに特化したツールとして設計されています。

Proton Sheetsの最大の特徴は、全てのユーザーデータをデフォルトで暗号化する点にあります。これにはファイル名やメタデータも含まれ、Proton自身を含め、誰もユーザーのスプレッドシートの内容にアクセスできない仕組みです。同社は、大手テクノロジー企業のデータ収集慣行や、独自のビジネス情報がAIトレーニングに利用される可能性への懸念が高まる中で、この新ツールを開発したと説明しています。

Proton Sheetsは、一般的な数式やグラフによるデータ視覚化、リアルタイムでの共同作業といった機能をサポートしています。既存のCSVやXLSファイルもインポート可能で、これらも暗号化によって保護されます。また、ユーザーがファイルの閲覧や編集権限を管理できるアクセス制御機能も備えています。

Proton Driveの製品責任者であるアナント・ビジェイ・シン氏は、「Proton Sheetsの登場により、我々は生産性のギャップを埋めるだけでなく、企業や個人にとってのデータ主権を取り戻します」とコメント。続けて、「今日、ほとんどのスプレッドシートツールは大手テクノロジー企業のものであり、彼らのビジネスモデルはユーザーデータの活用に基づいています。AIがこれらのプラットフォームに深く組み込まれたことで、リスクは飛躍的に増大しました。すべての入力や数式がAIのトレーニングパイプラインに供給される可能性があるのです。これは容認できないトレードオフであり、ユーザーは隠れた監視や侵略的なデータマイニングのない未来を享受するべきです。だからこそ、我々はコントロール、セキュリティ、信頼をユーザーの手に確実に戻す、堅牢でプライバシー第一の代替手段としてProton Sheetsを開発しました」と述べました。

Proton SheetsはウェブブラウザおよびProton Driveアプリを通じて利用できます。今回のリリースにより、Proton Driveはメール、カレンダー、ドキュメント、そしてスプレッドシートといった、全てに暗号化が組み込まれた幅広い生産性ツールを提供するようになりました。