Apple、英iCloud集団訴訟の資金源に疑問符

 〜資金提供者の財政悪化を指摘、抗議審理続く〜

Appleは、英国で提起されている40億ドル規模のiCloud集団訴訟を巡り、訴訟の資金提供元の透明性に異議を唱えました。同社は、訴訟費用を負担する第三者企業「Litigation Capital Management（LCM）」の深刻な財政状況が、訴訟遂行能力に影響を及ぼす可能性を指摘しています。

この訴訟は、消費者団体「Which」が英国の消費者を代表して提起したもの。AppleがiCloudストレージでユーザーを囲い込み、競争条件下よりも高額な料金を支払わせていると主張し、損害賠償と将来の行為差止を求めています。対象期間は2015年10月1日から現在までとされています。

Appleは競争控訴審判所に対し、LCMが最近、株価が99%急落し、わずか1,600万ドルの価値にまで減少したことを挙げ、訴訟を支え続けることができるのか不透明であると訴えました。

もしLCMの資金が撤回された場合、Appleが勝訴しても訴訟費用を回収できない重大なリスクに直面する可能性があると主張。LCMの状況については、Appleと原告代表者の双方がもっと早く明確に知らされるべきだったとも付け加えました。

今回の資金問題は、Appleが別の開発者集団訴訟で上訴を却下された数日後に浮上しました。この開発者訴訟では、AppleがiOSアプリ配信およびアプリ内決済で独占的地位を乱用したと判断され、10億ドル以上の損害賠償に直面する可能性があります。

iCloud訴訟に関する審理は現在も続いており、裁判所がいつ決定を下すかはまだ明らかにされていません。