Google、プライバシー重視のAIクラウドシステム「Private AI Compute」を発表 – Apple技術と類似

Googleは今週、AI機能を提供しながらも厳格なデータプライバシー保護を維持する新しいクラウドベースのシステム「Private AI Compute」を発表しました。同社は、これはAppleの「Private Cloud Compute」技術と密接に類似したフレームワークであると説明しています。

このサービスにより、ローカルハードウェアの処理能力を超えるAIタスクを、個人データをGoogleや第三者に公開することなく、安全にクラウドで処理することが可能になります。

Googleは長年にわたりプライバシー強化技術（PETs）を開発してきましたが、今回の「Private AI Compute」は、クラウド上の高性能なGeminiモデルと、オンデバイス処理に期待されるものと同等のセキュリティおよびプライバシー保証を組み合わせた、次世代のAI処理プラットフォームと位置付けています。

Private AI Computeは、カスタム設計されたTensor Processing Units (TPUs) と、統合されたTitanium Intelligence Enclaves (TIE) を用いて構築されています。これらのハードウェアで保護されたエンクレーブは、AIワークロードを処理するための「要塞化された空間」を形成し、生のユーザーデータへの直接アクセスを遮断します。デバイスはリモート認証と暗号化されたチャネルを通じて環境に接続するため、Googleのエンジニアやインフラ管理者も転送されるデータにアクセスすることはできません。

この新システムはまず、Pixel 10デバイス向けの新しいAI体験を強化する予定です。具体的には、文脈に応じた提案を行うAIアシスタント「Magic Cue」の機能強化や、多言語で録音を要約できるようになった「Recorder」アプリのアップグレードなどが挙げられます。これらはいずれも、オンデバイスのNPUでは提供できない、クラウド上の大規模なGeminiモデルによる大幅なコンピューティングリソースを必要とします。

GoogleのPrivate AI Computeは、昨年Appleが発表した「Private Cloud Compute」と非常に似ています。AppleのシステムもApple Intelligence機能をサポートし、検証可能で密閉された環境としてAIタスクを処理するカスタムサーバーを使用しています。