公共充電ステーションに潜む危険：iPhoneを「ジュースジャッキング」から守る方法
外出先でスマートフォンのバッテリーが切れそうになった時、空港や商業施設で見かける無料の公共充電ステーションは非常に便利です。しかし、これらのステーションには、デバイスの個人情報が盗まれるリスクが潜んでいることをご存じでしょうか。「ジュースジャッキング」と呼ばれるこの脅威からiPhoneやiPadを守るための重要な設定と対策について解説します。
# ジュースジャッキングとは何か？
米連邦通信委員会（FCC）が警鐘を鳴らす「ジュースジャッキング」とは、ハッカーが公共のUSB充電ポートにマルウェアを仕込み、充電のために接続されたデバイスから悪意を持って個人情報にアクセスする手口です。
見た目ではハッキングされているかどうかを判断するのは困難であり、利用者は知らず知らずのうちに情報漏えいのリスクに晒される可能性があります。
# iOS/iPadOS 26の新機能「有線アクセサリ」でセキュリティ強化
Appleは、このジュースジャッキングのリスクに対抗するため、iOS 26およびiPadOS 26でMacに以前から搭載されていた「有線アクセサリ」機能を導入しました。これにより、デバイスが外部アクセサリに接続された際のデータ通信許可を細かく制御できるようになりました。
# 推奨される設定変更方法
デフォルト設定では、ロック解除時に自動的にアクセサリを許可するようになっていますが、セキュリティを強化するためには以下の手順で変更することを推奨します。
1. 「設定」アプリを開く。
2. 「プライバシーとセキュリティ」をタップ。
3. 「セキュリティ」セクションまでスクロールし、「有線アクセサリ」をタップ。
ここで以下の4つのオプションから選択できます。
*
常に確認
: 常に接続許可を求めます。
*
新しいアクセサリのみ確認
: 初回接続時のみ許可を求めます。
*
ロック解除時に自動的に許可
: デバイスがロック解除されていれば自動的に許可します（デフォルト）。
*
常に許可
: 常に自動的に許可します。
セキュリティを考慮すると、「
常に確認
」または、頻繁に使用するアクセサリがある場合は「
新しいアクセサリのみ確認
」を選択することが強く推奨されます。これらの設定で「許可しない」を選択しても、デバイスの充電自体は問題なく行われますのでご安心ください。
# さらなる保護策としてデータブロッカー
さらに高度な保護を求める方には、「データブロッカー」の使用が有効です。例えば「Nitrokey Data Blocker USB-C/C」のような製品は、充電器とデバイスの間に挟むことでデータ転送のみをブロックし、充電のみを可能にします。これにより、充電ケーブル自体が不正に改造されている場合でも、情報漏えいのリスクを軽減できます。
便利な公共充電ステーションを利用する際は、ジュースジャッキングのリスクを認識し、iOS/iPadOSの「有線アクセサリ」設定を見直すことで、大切な個人情報を守ることができます。安全な充電習慣を身につけ、安心してデバイスを利用しましょう。
