Appleは今月、Mac向け最新オペレーティングシステム「macOS Tahoe」（バージョン26）を発表しました。新デザイン「Liquid Glass」を採用し、外観のカスタマイズ性が大幅に向上したほか、新しい「電話」アプリの搭載、システム全体の機能強化が図られています。
今回のアップデートでは、Macユーザーの体験を一新する50以上の新機能や改善点が盛り込まれており、特にデザインとパーソナライゼーションが大きな柱となっています。
刷新されたデザインと豊富なカスタマイズオプション
「Liquid Glass」を基調としたデザイン刷新が最大の目玉です。長年のMacユーザーに親しまれてきた「ターミナル」アプリも初の本格的なビジュアル刷新を遂げ、24ビットカラーやPowerlineフォントに対応しました。
デスクトップの雰囲気を一新する「テーマ」機能も導入され、従来のライト/ダークモードに加え、テキスト強調色、フォルダーカラー、アイコンとウィジェットのスタイル（ダーク、クリア、ティント）を細かくカスタマイズできるようになりました。これにより、システム設定のアイコンやDockの見た目も自在に変更可能です。
「メニューバー」はLiquid Glassデザインにより背景が非表示になりましたが、従来の背景表示に戻すオプションも用意されています。iOS 18と同様に「ロック画面」の時計スタイルも変更可能になり、よりパーソナルな設定が可能になりました。
新アプリとApple Intelligenceがもたらす革新
新アプリとして「電話」がMacに登場し、iPhoneとの連携でMacから直接発着信や保留アシスト、通話スクリーニングが可能になります。「ジャーナル」アプリもMac版がリリースされ、複数のジャーナル作成に対応。Macにインストールされている全てのゲームを一覧表示する「ゲーム」アプリも加わりました。
Apple Intelligenceを活用した新機能も注目されます。「Genmoji」で絵文字を組み合わせて新しいキャラクターを作成したり、「リマインダー」アプリでは入力したリストをAIが自動でカテゴリ分けする機能が追加。
「FaceTime」は、異なる言語を話す相手との会話をリアルタイムで字幕表示する「ライブ翻訳」に対応しました（AppleシリコンMacが必要）。
「拡大鏡」アプリは、Continuity Camera経由でiPhoneカメラのズーム機能をMacに映し出し、対象物を拡大表示できます。
生産性と利便性の向上
「Safari」はタブバーとアドレスバーの統合オプションが廃止され、半透明のアドレスバーが採用されました。「メモ」アプリは人気のMarkdown形式でのテキストのインポート/エクスポートに対応。
「メッセージ」アプリでは、会話内でアンケートを作成できるようになったほか、個別の会話スレッドにカスタム背景を設定したり、不明な送信者やスパムメッセージをフィルタリングする機能が追加されました。
「Spotlight検索」は大幅に進化し、アプリ内検索や特定のモードへのショートカット、コピー＆ペースト履歴の検索、アプリを開かずに特定のアクションを実行する機能、ChatGPTなどのタスクを素早く起動するクイックキーなどが追加されました。
「コントロールセンター」はレイアウトのカスタマイズが可能になり、iPhoneアプリのコントロールも追加できます。バックグラウンドで動作しようとするアプリへの通知機能や、Wi-Fiがない場合にiPhoneのパーソナルホットスポットに自動接続する機能など、利便性も向上しています。
「ファイル保管機能（FileVault）」は、セットアップ時にAppleアカウントでサインインした場合、デフォルトで自動的にオンになるようになりました。
アクセシビリティと細やかな改善
アクセシビリティ面では、10種類のフレーズを録音するだけで自然な合成音声を生成する「パーソナルボイス」が高速化・簡易化。移動中の乗り物酔いを軽減する「Vehicle Motion Cues」機能がMacにも拡大されました。
修理時に役立つ「Repair Assistant」がMacに対応し、ディスプレイやロジックボード交換後のTouch IDやリッドアングルセンサーの再利用が可能になります（AppleシリコンMac）。
「アクセシビリティリーダー」は、読みづらいテキストをカスタマイズ可能な専用ウィンドウで表示・読み上げることができます。
このほか、音量/輝度調整時のオーバーレイ表示が小型化されたり、フォルダのアイコンで内容の有無を判別できるようになるなど、細かな改善も多数加えられています。また、「Launchpad」は廃止され、Dockの新しい「アプリ」アイコンからアプリケーションセクションにアクセスする形式に変更されました。
