AppleとEpicの訴訟：弁護士・依頼人特権を巡る判決が業界に波紋

米国のIT大手アップルとゲーム開発会社エピック・ゲームズの間の訴訟が続く中、弁護士・依頼人特権の適用範囲を巡る米連邦地方裁判所の判断が業界団体からの懸念を呼んでいます。

裁判所は、電子メールのチェーンに弁護士が含まれていても、それだけでは弁護士・依頼人特権は発生しないとの見解を示しました。判事はこの判断について、アップルが業務関連文書を隠蔽するため、特権を不適切に主張しようとしたものだと指摘しています。

この判断に対し、テクノロジー業界団体TechNetと企業内弁護士協会（ACC）が、第9巡回区控訴裁判所に法廷助言書（アミカス・ブリーフ）を提出しました。両団体は、今回の判決が過去の判例に違反し、依頼人と弁護士の双方に危険をもたらす可能性があると主張。さらに、企業のコンプライアンス対応のあり方にも影響を与えかねないと警鐘を鳴らしています。