Appleは、今年9月の正式リリースを予定している次期macOS「macOS Tahoe」の開発者向けベータ版および初の一般公開ベータ版を提供中です。このメジャーアップデートでは、デザインの一新と数々の新機能が導入されています。

 ◆新デザイン「Liquid Glass」の評価

今回の目玉の一つである新デザイン言語「Liquid Glass」は、iOS 26と同様にDockやウィジェット、コントロールセンターなどに適用されています。しかし、その実装はiOSやiPadOSに比べて限定的で、従来のMacのインターフェースと馴染んでいない部分も散見されます。

透明感の不足や古めかしく見える陰影、丸みを帯びたデザインなどが指摘されており、まだ開発途上感が否めないとの声も上がっています。ただ、Safariのタブ表示のように、ベータ版の更新で視認性が改善された例もあり、今後のさらなる改善が期待されます。

 ◆カスタマイズ機能の強化

一方で、機能面ではユーザーの利便性を高める様々な進化が見られます。コントロールセンターとメニューバーは大幅にカスタマイズ可能となり、必要な機能やサードパーティ製アプリのショートカットを配置できるようになりました。

アイコンのカラーリング変更や、フォルダに絵文字を追加する機能も導入され、パーソナライズの幅が広がっています。

 ◆Spotlightの大幅な進化

中でも特筆すべきは、Spotlightの大幅な機能強化です。従来のLaunchpadに代わる存在として、アプリの起動、ファイル検索、クリップボード履歴の参照、さらには多彩な「アクション」実行まで、Macでのあらゆる操作のハブとなります。

この「アクション」機能では、アプリを立ち上げることなくメール送信、タイマー設定、リマインダー作成などが可能となり、ショートカットキーと組み合わせることで作業効率が飛躍的に向上するでしょう。

 ◆Mac版アプリの拡充

iPhoneとの連携を強化する「電話」アプリがMacにも登場します。Wi-Fi通話対応のiPhoneと連携することで、Macから電話の発着信や新機能の利用が可能になります。

ゲーム愛好家には「ゲーム」アプリが導入され、Mac App StoreのゲームやApple Arcadeのコンテンツを集約。友達との共同プレイや対戦機能も提供されます。また、「ジャーナル」アプリもMacに対応し、Macのキーボードで日々の記録をつけたいユーザーには朗報です。

 ◆iOS 26との連携強化

さらに、iOS 26で導入される多くの新機能がmacOS Tahoeにも展開されます。メッセージの背景パーソナライズ、リマインダーの整理を助けるApple Intelligence対応、Image Playgroundでの新しいChatGPTスタイル、そしてGenmojiのサポートなどが含まれています。

全体として、macOS Tahoeはデザイン面でまだ課題を抱えつつも、Spotlightをはじめとする革新的な機能強化や、iOSとの連携強化により、Macの体験を大きく向上させるポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。正式リリースに向けて、今後のさらなる改善に注目が集まります。