スケッチャーズ、AirTag内蔵可能な子供用シューズを発売

米国のシューズブランド、スケッチャーズは、Appleの紛失防止タグ「AirTag」を靴底に収納できる子供向けシューズの販売を開始しました。これにより、保護者が「探す」アプリを通じて子供の現在地を追跡し、見守ることが可能になります。

この新商品は、インソール（中敷き）の下にAirTagを挿入できる隠しコンパートメントを備えており、子供がAirTagの存在を感じることなく装着できるとスケッチャーズは説明しています。保護者はiPhone、iPad、Mac、Apple Watch、またはiCloud.comの「探す」アプリから、靴を履いた子供の場所をリアルタイムで確認できます。

本製品は、混雑した場所での迷子対策や、子供が指定された場所にいるかを確認する際に親に安心感を提供することが期待されます。万が一、緊急事態が発生した場合にも、子供の居場所特定に役立つ可能性も指摘されています。

一方で、いくつかの課題も指摘されています。AirTagには、ストーカー行為を防ぐための安全機能が備わっており、未知のAirTagが一定時間追跡している場合、追跡されている側のiPhoneやAndroidスマートフォンに警告が表示され、最終的にはAirTagから音が鳴ります。このため、悪意のある第三者（誘拐犯など）にAirTagの存在が露見する可能性があります。

また、位置情報の更新には「探す」ネットワークへの接続が必要です。これは、周囲にApple製品や「探す」ネットワーク対応デバイスを持つ人がいて、かつ携帯電話やWi-Fiの接続環境がある場合に限られます。子供が孤立した場所や通信環境のない場所にいる場合、位置情報は更新されません。Apple自体はAirTagの人物追跡利用を推奨していませんが、幼い子供の安全確保のための保護者による利用は正当化される場合があるとの見解もあります。

代替案として、セルラーモデルのApple Watchを子供に持たせることで位置追跡が可能であることも挙げられます。

このAirTag対応シューズは、現在、米国、カナダ、およびその他一部の国で、男女向けに様々なスタイルで提供されており、洗濯機で丸洗い可能です。米国での価格は52ドルからですが、AirTag本体は別途購入が必要です。