iPadOS 19への期待と課題：MacBook代替への道は遠く
iPadのMacBook代替としての可能性は、ユーザーの利用方法に左右される。iPad Proの優れたディスプレイやApple Pencilによる入力、携帯性は、学生や専門家にとって理想的な生産性向上デバイスとなりうる。しかし、より複雑な作業を必要とするユーザーにとっては、現状のiPadOSでは力不足だ。
iPadの性能自体は、MacBookに搭載されるものと類似したMシリーズチップによって飛躍的に向上している。問題はiPadOSの機能制限にある。噂されるiPadOS 19では、マルチタスク、生産性、ウィンドウ管理の改善が期待されるが、真にMacBookに匹敵する存在となるためには、以下の9つのmacOS機能の導入が不可欠だ。
1.
App Storeの制限撤廃:
macOSのように、App Store以外のソースからのアプリインストールを許可することで、iPadOSの柔軟性を高める。
2.
高度なウィンドウ管理:
macOSのような直感的で柔軟なウィンドウ管理システムを導入し、現在のStage Managerの使いにくさを解消する。
3.
複数ユーザープロファイルのサポート:
教育機関向けに限定されている複数ユーザープロファイルを、一般ユーザーにも開放し、家族間でのiPad共有を容易にする。
4.
カーソルの改善:
マウスやトラックパッド使用時のカーソルを、macOSのように洗練されたものに変更する。
5.
内蔵アプリのアップグレード:
Apple MusicやFinderなど、macOS版のみに搭載されている高度な機能をiPad版にも導入する。
6.
拡張された作業環境:
MacBookのように、複数の外部モニターやデスクトップをサポートし、より効率的な作業環境を実現する。
7.
Macソフトウェアとの互換性:
同じプロセッサを搭載するiPadで、Macソフトウェアを実行できるようにし、アプリの選択肢を大幅に拡大する。
8.
Continuity機能の拡充:
macOSとの連携を強化し、AirPlay受信やiPhoneミラーリングなどの機能をiPadOSにも搭載する。
9.
iPhone OSツール:
iPhoneのバックアップ、復元、アップデートなどをiPadからも行えるようにする。
これらの機能が実装されれば、iPadはMacBookに匹敵する強力なツールとなりうる。しかし、AppleがMacの販売を優先する戦略をとる限り、これらの機能がiPadOSに搭載される可能性は低い。現在のiPadは、ハードウェアの進化にソフトウェアが追いついていない状況であり、iPadOS 19で状況が大きく改善されることは期待薄だ。現状のままでは、iPadは「高機能なiPhone」という位置づけから脱却できないかもしれない。
