英国の競争・市場規制機関（CMA）は、モバイルブラウザ市場についての最終判断を下し、Appleのポリシーが競争とイノベーションを阻害していると結論付けました。

CMAの独立調査グループは、AppleがすべてのiOSブラウザにWebKitエンジンの使用を要求していることが競争を阻害し、iPhoneやiPad上で競合ブラウザが独自の機能や最適化を導入するのを事実上防いでいるとの調査結果を発表しました。

また、AppleがGoogleに年間数十億ドルを支払ってiOSデバイスのデフォルトの検索エンジンになるようにしていることも問題視されています。

AppleとGoogleは、CMAが昨年11月に予備的な調査結果を発表して以来、一部譲歩していますが、課題は残っています。そのため、CMAはAppleに対して、iOS上での代替ブラウザエンジンの許可、デバイス設定中のブラウザ選択画面の実装、AppleとGoogle間の検索取引の制限など、いくつかの対策を提案しています。

また、CMAはAppleとGoogleに対して「戦略的市場地位」（SMS）を指定するかどうかを判断する別の調査を進めています。SMSが付与されれば、AppleとGoogleは法的に拘束力のある行動要件を満たさなければならず、違反した場合には全世界の年間売上の最大10％に相当する罰金を科される可能性があります。

なお、AppleのApp Storeの制限について懸念していたゲーム部門の調査は、「これ以上の行動は必要ない」と結論付けられました。