Apple、ノースカロライナ州キャンパス計画の期限延長承認　奨励金契約が実質再始動

【ノースカロライナ州】ノースカロライナ州は、Appleが同州リサーチ・トライアングル・パークに計画している研究開発キャンパスの建設について、雇用および投資のマイルストーン（節目）達成期限の延長を承認したことが明らかになりました。これにより、Appleが最大8億4500万ドルの税制優遇措置を受ける可能性のある奨励金契約が、事実上再始動することになります。

ノースカロライナ州経済投資委員会は今週、Appleに対し、2021年に同社が獲得した「変革的」雇用投資助成金に基づく当初のタイムラインを4年間延長することを議決しました。この動きは、Appleが昨年、建設計画の一時停止と州との契約再交渉を求めていたことを受けたものです。

当初の契約では、Appleは10年間でノースカロライナ州に計10億ドル（新キャンパスに5億5200万ドル、データセンター拡張に4億4800万ドル）を投資することを約束していました。これに対し、州は厳格な年間雇用目標と支出目標の達成を条件に、最大8億4500万ドルの税制優遇を提供することになっていました。

Appleはまだキャンパス建設に着手しておらず、昨年6月にはプロジェクトの最大4年間の中断を正式に要請。2021年以降、ローリー地区で約600人の従業員を追加したものの、大規模な開発作業を開始するまでには、さらに時間が必要であると説明していました。

今回の承認により、Appleは雇用要件を2027年末まで延期することが可能になります。奨励金の資格を維持するためには、2027年末までに126人の新規雇用が必要となり、その後、5年目までに1,719人、10年目までに2,700人へと新規雇用数を増やしていく必要があります。

2023年に提出された敷地計画によると、Appleは3棟のオフィスビル、複数の支援施設、駐車場を含む約8万3600平方メートル（約90万平方フィート）の施設を建設する予定です。新キャンパスは、機械学習、人工知能、ソフトウェアエンジニアリングなどの分野に注力するとされています。