Appleは、同社のAI機能「Apple Intelligence」の中国導入に向けて具体的な動きを見せている。最近、Appleのウェブサイトに「Apple Intelligence」のフィードバックフォームが開設され、意見提出に中国の国番号「+86」を含む電話番号が必須とされていることから、中国国内のユーザーをターゲットとしていることが示唆された。

このフォームでは、コンテンツ、プライバシー、機能全般についてフィードバックが募られている。具体的には、Writing Tools、Photos Clean Upツール、通知の要約、集中モード（Reduce Interruptions Focus Mode）、メールの優先順位付け、メールおよびメッセージのスマートリプライ、そしてメール、メッセージ、Safari、メモアプリ内の通話録音の要約機能などが対象となっている。

現在、Apple Intelligenceの機能は中国では提供されていない。AppleはiOS 18の発表以来、中国への展開を目指してきたが、AI機能を提供するには中国のAI企業との提携が不可欠とされている。当初、AppleはAlibabaと提携していたものの、米中間の貿易問題により6月に機能導入が延期された経緯がある。

しかし、その後米中両国が貿易・関税面での一時的な合意に達したことで、Appleが中国国内の規制をクリアする道筋が見えてきた可能性がある。年内最後のiOSバージョンとなるiOS 26.2でのサポート実装も考えられるが、現時点のベータ版では中国でのApple Intelligenceサポートを示す兆候は見られず、AppleおよびAlibabaのいずれも具体的なリリース日は明らかにしていない。