Spotify、来年早期に米国で料金値上げへ：レコードレーベルの圧力と収益改善が背景

音楽ストリーミングサービス大手のSpotifyが、来年第1四半期に米国でのサブスクリプション料金を値上げする方針であることが、フィナンシャル・タイムズの報道により明らかになりました。関係筋が明かした情報として伝えられています。

今回の値上げは、主要なレコードレーベルがSpotifyとApple Musicに対し、料金見直しを強く求めていたことが背景にあるとされています。レーベル側は、インフレによって価格が据え置かれたままであり、Netflixなどの動画配信サービスと比較しても音楽サブスク料金が割安であると主張しています。

ウォール街のアナリストたちは、この料金改定がSpotifyの株価にとって極めて重要だと見ています。同社が収益性改善を推し進める上で、値上げは不可欠とされており、JPモルガンのアナリストは月額1ドルの値上げで年間収益が5億ドル増加すると試算しています。

Spotifyはこれまでにも、南アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、中南米、アジア太平洋地域など、世界各地の多くの国で料金を改定してきました。一方、米国では2024年7月以降値上げが見送られていましたが、今回の方針転換となります。現在、米国でのSpotifyの月額料金は11.99ドルで、14年前のサービス開始時の9.99ドルから上昇しており、Apple Musicの個人プランより月1ドル高い設定となっています。