iPad Pro M4でMacBook Airは不要に？ 記者が1週間検証

「Macworld」の記者が、長年夢見ていたミニマルなワーク環境の実現に向け、13インチMacBook Air M2をiPad Pro M4に置き換える検証を行いました。Magic KeyboardとApple Pencil Proを組み合わせ、iPadOS 26の進化に期待を寄せた記者は、1週間にわたりMacBookを封印し、iPad Pro M4のみで仕事に挑みました。その結果を詳しく報告します。

 デザイン・携帯性：驚異的な薄さとFace IDの恩恵

iPad Pro M4はMacBook Air M2と比較して、薄さ、軽さ、携帯性において圧倒的な優位性を示しました。デスクトップ級のチップを搭載しながら実現されたそのスリムさには驚きを禁じ得ません。また、従来のTouch IDよりも信頼性が高く便利なFace IDの採用も高く評価されています。

Magic KeyboardからのiPadの容易な着脱も利点ですが、有線イヤホンユーザーにとってはMacBookのヘッドホンジャックの不在が惜しまれる点です。一方で、膝上やベッドなどの不安定な場所での使用時の安定性や、Magic Keyboardのヒンジ操作感はMacBookに及ばないと指摘されています。

 ディスプレイ・入力：OLEDの鮮明さとMagic Keyboardの快適さ

iPad ProのOLEDスクリーンは、MacBook Airより「シャープで鮮やか」と評され、タッチ操作とApple Pencilによる入力に対応します。MacBook Airの幅広で感圧式のトラックパッドに軍配が上がるものの、Magic Keyboardのトラックパッドは同等の感触とハプティックフィードバックを提供。バックライト付きキーボードも長時間のタイピングに十分快適です。

 マルチタスク：進化はするもMacには及ばず

iPadOS 26で導入されたウィンドウシステムにより、iPadでのマルチタスクは実用性が向上しました。しかし、macOSにはまだ及ばない点も散見されます。特定のキーボードショートカットがサードパーティアプリで機能しなかったり、macOS TahoeのSpotlight検索のような機能が不足。iPhone MirroringやApple TV 4Kをワイヤレスセカンドモニターとして使う機能も利用できません。これにより、一部の作業ではMacBookよりも時間がかかるとの感想です。

 アプリ体験：iPadOSの豊富なネイティブアプリ

macOSでは、一部開発者が専用デスクトップアプリを提供せず、Webアプリの利用を強いられるケースがあります。これに対し、iPadOSのアプリライブラリは包括的で、アプリの完成度も高いと評価されました。結果として、不安定なWebアプリに頼る必要が減り、コンピューティング体験が向上したと記者は述べています。

 バッテリー・発熱：薄型化の代償

最大の弱点として、iPad Proのバッテリー寿命の短さが挙げられます。3年使用しバッテリー状態が82%に劣化したMacBook Air M2よりも、新品のiPad Pro M4の方が1回の充電での持続時間が短いという結果です。バッテリーの経年劣化も考慮すると、セルラープラン契約をためらう要因になると報告されています。

また、薄型デザインの代償として、高負荷タスク実行時にはM2 MacBook Airよりも本体が早く熱くなる傾向があります。次期iPad Pro M6では放熱対策としてベーパーチャンバー実装が噂されており、今後の改善が期待されます。

 結論：iPad Proがメイン、Macはサブへ

記者は、リサーチ、タイピング、写真編集といった日常の主要業務において、iPad ProがMacBook Air M2を事実上置き換えることに成功したと結論付けています。今後もメインの作業マシンとしてiPad Proを使用する方針です。

しかし、HomePod mini OSの復旧など、macOS限定の特定のタスクのためにはMacBookを引き続き手元に置く必要があるとしています。かつてMacBookがメインだった環境から、iPad Proが主要なラップトップの代替となり、Macは「特定の、珍しいユースケースのためだけ」に残されるという、記者のワークフローにおける大きな転換が報告されています。