Apple、App Storeミニアプリパートナープログラムを発表 – 手数料率優遇で開発者支援へ

Appleは本日、「App Store Mini Apps Partner Program」を発表しました。これにより、ミニアプリやミニゲームをホストするネイティブアプリ内で、アプリ内課金（In-App Purchase, IAP）の利用が可能になります。

このプログラムは、HTML5やJavaScriptなどのウェブ技術で構築された「ミニアプリ」や「ミニゲーム」を、より大きなネイティブアプリ内で提供する開発者を対象としています。Appleは、ミニアプリの普及を促進し、開発者のビジネス成長を支援することで、顧客体験の向上を目指します。

 手数料率15%に優遇、安全性確保も要件

参加開発者は、認定されたアプリ内課金売上に対して、通常30%の手数料率から15%への引き下げという優遇措置を受けることができます。この特典を享受するためには、参加アプリが特定のApp Store技術、具体的にはコンテンツの年齢制限表示を助ける「Declared Age Range API」と、安全でシームレスな取引を実現する「Advanced Commerce API」をサポートする必要があります。

また、ミニアプリ自体はホストアプリの開発者によって制御されていない、独立したものであることが条件となります。プログラムへの参加を希望する開発者は、所定の申請フォームを提出する必要があります。

 WeChatとの合意、ガイドライン更新も

この新プログラムは、Appleが中国のWeChatにおけるミニゲームやミニアプリの課金から手数料を得ることを可能にした、Tencentとの合意に関連していると見られています。

今回の発表と並行して、AppleはApp Reviewガイドラインも更新しました。例えば、「クリエイターアプリは、アプリの年齢評価を超えるコンテンツをユーザーが特定する方法を提供し、未成年ユーザーによるアクセスを制限するために、検証済みまたは申告済みの年齢に基づく年齢制限メカニズムを使用しなければならない」といった規定が追加・明確化されています。これは、ミニアプリパートナープログラムにおける安全性確保の要件と密接に関連していると考えられます。