Apple、iPhone/Watch向け「デジタルID」を米国内で提供開始

Appleは、今年6月のWWDCで発表していたデジタルID機能を、iOS 26.1を搭載したiPhoneおよびwatchOS 26.1を搭載したApple Watch向けについに提供開始しました。この機能は、当初のiOS 26には含まれず、サーバー側の設定変更により有効化されました。

このデジタルIDは、有効な米国パスポートのデジタルコピーとして機能します。しかし、現時点での利用は限定的で、有効な米国パスポートを所持しているユーザーが対象となります。作成されたデジタルIDは現在、約250の空港で、国内線利用時のTSA（運輸保安庁）の身分証明としてベータテスト運用されています。

Appleは、デジタルIDが物理パスポートの代替品ではないことを明確に強調しており、国際旅行や国境越えには利用できません。将来的には、オンラインを含む他の場所やビジネスでの年齢確認や身元確認にも利用できるよう、展開を目指しているとのことです。

デジタルIDの作成は、Apple Walletアプリから簡単に行うことができます。まずアプリ内で「＋」ボタンをタップし、「運転免許証とIDカード」から「デジタルID」を選択。画面の指示に従い、パスポートをスキャンし、iPhoneをパスポートのNFCチップにかざします。その後、Face IDの設定時と同様に、自身の顔写真撮影といくつかの生体認証の動きが求められ、情報を送信し、検証が完了するとApple WalletにデジタルIDが追加される仕組みです。

この機能は、米国国内線の利用において、Real ID対応の州発行IDを持っていない、あるいはApple WalletでのIDサポートがまだ提供されていない州のユーザーにとって、便利な身分証明手段となりそうです。ただし、パスポートが必要なすべての場所、特に国際旅行では物理パスポートが引き続き不可欠であり、手元に保管しておくことが推奨されます。