Ecovacs（エコバックス）から、最新のロボット掃除機「Deebot X11 Omnicyclone（ディーボット X11 オムニサイクロン）」が登場しました。Matter統合とHomeKit連携に対応し、Siriによる音声コマンドで清掃を開始できるのが大きな特徴です。

本体デザインは前世代のX9とほぼ同等で、高さ3.86インチと薄型設計により多くの家具の下を清掃可能です。一方、ベースステーションは大幅に刷新され、従来のバッグ式から再利用可能なダスト容器を採用したことで大型化しています。これにより、ゴミ捨ての手間が省け、環境負荷も低減されます。水タンクも大容量化され、メンテナンス頻度が減少しました。

吸引力はテストしたロボット掃除機の中でもトップクラスの19,000Paを誇り、ペットの毛や細かいゴミを効率的に除去します。Ecovacs独自のZeroTangleブラシにより、髪の毛が絡まる心配もありません。段差乗り越え能力も向上し、最大2.4cmの段差に対応可能です。稼働音は比較的静かな約62dBAですが、ゴミ排出時は約80dBAに達するため、設置場所には考慮が必要です。

モップ清掃機能も進化し、ローラーモップがコーナーまで届くようになったほか、染み検出AIが汚れを感知して再清掃を行う機能も搭載。ベースステーションでの温水洗浄と温風乾燥により、モップを常に清潔に保てます。

セットアップは比較的簡単ですが、専用アプリには豊富な設定項目があり、詳細なカスタマイズが可能です。新搭載のAIクリーニングモードはユーザーの清掃履歴や好みを学習し、自動で最適な設定を適用しますが、学習には時間と調整が必要な場合もあります。また、Siriによる音声操作の利便性は高く評価されています。

広い住宅向けの高速充電機能も搭載されており、約10分の短時間充電で清掃を中断することなく継続できます。

一方で、小型のラグやタッセル付きのラグには依然として引っかかりやすい点が課題として指摘されています。AIクリーニングモードやYiko音声アシスタントなど、多機能ゆえの複雑さや改善の余地もみられます。

総合的に見て、X11は薄いラグへの対応を除けば、これまでにテストされたロボット掃除機の中で最高の性能を誇ると評価されています。特に、高い段差がある家、バッグレス設計を求める人、広い家で高速充電が必要な人、そしてApple製品ユーザーでSiriを多用する人には検討に値するモデルです。

価格は1,499.99ドルで、公式ウェブサイトやAmazonで購入可能ですが、プロモーションコードや定期的なセールを利用して購入することが推奨されています。