OpenAIのSora AIビデオアプリが大型アップデート、「キャラクターカメオ」導入で物語性強化も商標問題に直面

OpenAIのAIビデオアプリ「Sora」が大型アップデートを実施し、ユーザーはより長く、物語性のある動画を生成できるようになりました。一方、今回の新機能の一つである「キャラクターカメオ」を巡り、セレブリティ動画プラットフォームのCameoから商標侵害で訴訟を提起される事態となっています。

Soraは、招待制のAIビデオアプリ兼ソーシャルネットワークで、ユーザー自身や友人、その他の人物を題材に、リアルで映画のような、あるいはアニメスタイルのAI動画を、同期された音声や効果音付きで作成できるのが特徴です。

今回のアップデートの目玉は「キャラクターカメオ」機能です。ユーザーは既存の動画やSoraで生成したコンテンツから、再利用可能なキャラクターを作成し、将来の動画生成でタグ付けできるようになります。各キャラクターには表示名、ハンドル、そしてプライベート、相互フォロワー限定、公開といった共有権限が設定可能です。OpenAIは、フランケンシュタインやドラキュラといったハロウィンテーマを含むスターターキャラクターも提供しています。

さらに、複数のクリップを一つのシーケンスに統合できる「動画スティッチング」機能や、最もリミックスされた動画や頻繁に使用されるキャラクターを表示する「コミュニティリーダーボード」も追加され、ユーザー体験が向上しています。

このアップデートに合わせて、OpenAIはSoraへの招待要件を一時的に緩和しました。日本、米国、カナダ、韓国のユーザーは、期間限定で招待コードなしでサインアップが可能になったほか、タイ、台湾、ベトナムでもアプリが利用できるようになっています。

しかし、この「キャラクターカメオ」機能は、リリース直前にセレブリティ動画プラットフォームのCameoから商標侵害を理由に訴訟を提起される事態を招いています。Cameoは、OpenAIの「cameo」という用語の使用が自社の商標権を侵害していると主張しています。

Soraアプリは先月末にデビューしたばかりですが、提供開始当初は招待制かつ2カ国限定だったにもかかわらず、わずかな期間で100万ダウンロードを突破。OpenAIのChatGPTを上回るペースでユーザーを獲得し、早くも高い注目を集めています。