Apple Vision ProがM5チップ搭載で性能向上、新バンドで快適性も改善

Appleは、複合現実ヘッドセット「Apple Vision Pro」を刷新し、新たにM5チップを搭載しました。これにより、デバイスのパフォーマンスが大幅に向上しています。デザインに変更はありませんが、より快適な装着感を提供する「Dual Knit Band」が導入されました。

 処理能力と視覚体験の進化

新しいM5チップの搭載により、Vision Proは以前のM2モデルと比較して処理速度が顕著に向上しました。ユーザーのデジタルアバター「Persona」の作成や空間写真の生成、複数のアプリケーションを同時に利用する際の動作がよりスムーズになっています。

マイクロOLEDディスプレイ自体は据え置きですが、M5チップの処理能力によって、表示可能なピクセル数が10%増加。さらに120Hzのリフレッシュレートに対応したことで、画面の動きが以前よりも格段に滑らかに感じられます。Macと連携してVision Proを仮想ディスプレイとして使用する「Mac Virtual Display」機能も進化し、まるで2台のシャープな5Kディスプレイを並べているかのような体験を提供します。パーソナライズされた空間オーディオも、より正確な方向性を実現し、没入感を高めています。

 装着感を向上させる新バンド

装着体験の改善も図られました。従来の「Solo Knit Band」と「Dual Loop」に代わり、新モデルには「Dual Knit Band」が標準で付属します。このバンドは頭頂部と後頭部の両方にストラップを配置することで、デバイスの重量をより均等に分散。後頭部のバンドにはカウンターバランス用の重りが内蔵されており、体感的な重さの軽減に貢献しています。

上下のストラップは改良されたFit Dialで簡単に調整でき、ユーザー一人ひとりに合わせた理想的なフィット感を実現します。Dual Knit Bandは装着感を向上させるものの、Vision Pro本体の重さ自体は変わらず、長時間の使用における快適性にはまだ改善の余地があるとしています。

価格はM2モデルから据え置きの3,499ドルで、Appleから購入可能です。なお、既存のM2モデルのVision Proユーザーも、Dual Knit Bandを99ドルで単体購入することができます。