Apple Watchの新機能「Sleep Score」は期待外れ？ 筆者が1ヶ月使用して辛口評価

Appleが次期「iPhone 17」発表イベントで、watchOS 26の新機能「Sleep Score」を発表しました。この機能は、ユーザーの睡眠の質を複数の要因に基づいて評価し、シンプルな数値で提示することを目的としており、当初は大きな注目を集めました。しかし、1ヶ月間この機能を使用した筆者は、「単なる既存の睡眠トラッキング機能に新しい装いを施しただけ」と、その実態に辛口な評価を下しています。

Sleep Scoreは、Apple Watchまたは互換性のある他社製トラッカーで収集された睡眠データをiOS 26のApple Healthアプリで確認できます。評価は100点満点システムで、主に「睡眠時間（50点）」、「就寝時間の一貫性（30点）」、「睡眠中断（20点）」の3つの要素で構成されています。例えば、睡眠時間で満点の50点を得るには8時間以上の睡眠が必要とされます。筆者によると、このスコアは既存の睡眠データに基づいて算出されており、新しいデータ収集や深い分析は行われていないとのことです。そのため、過去の睡眠トラッキングデータにも遡ってスコアが表示されることが、この機能が既存データの新たな表示方法に過ぎないことを示していると指摘されています。

筆者は、Sleep Scoreが提供する情報が表面的であり、睡眠トラッキング機能の「革新」とは言えないと強く批判しています。例えば、病気で鎮痛剤を服用して眠った場合でも100点満点になることがあり、必ずしも質の良い睡眠を反映しているわけではないと指摘。さらに、安静時心拍数、心拍変動、過去の運動量、消費カロリー、呼吸数、手首の温度、血中酸素レベルなど、睡眠の質や全体的な健康状態を示す重要な指標が全く考慮されていない点を問題視しています。

より有用なアプローチとして筆者が提案するのは、一日を通じた「身体のエネルギーレベル（ボディバッテリー）」を推定する機能です。これは、ワークアウト、心拍数、活動量、マインドフルネス、睡眠データなど、多角的な健康指標を統合して分析し、リアルタイムでユーザーの全体的な状態を反映するものです。このような包括的なアプローチであれば、疲労度やストレスレベルも考慮に入れ、静的な睡眠スコアよりも実用的な情報を提供できるとしています。

Appleが来年、AIコーチングを含む「Health+」サービスを計画していることから、将来的にはより総合的な健康レポート機能が提供される可能性に期待が寄せられています。しかし、現状のSleep Scoreについては、筆者はその利用を「一時停止」にすると締めくくっています。