VirtualBoxレビュー:MシリーズMacでWindows対応も、初心者には不向き
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FromMacworld
VirtualBox、Apple Silicon対応で復調も設定難易度は高め – 個人利用は無料、ビジネス向けは課題
Mac上でWindows仮想マシンを動作させるオープンソースツール「VirtualBox」の最新版7.2が、Apple Silicon搭載Macへの対応を果たし、機能面での復調を見せています。個人・教育用途では無料で提供されるものの、その複雑なセットアッププロセスと限定的な3Dグラフィック性能から、利用者はIT部門のサポートを受けられる大企業や技術者層に限定されそうです。
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Oracleが提供するVirtualBoxは、macOS上でWindows環境を仮想的に構築できるツールとして知られています。長らくApple Silicon Macへの対応が遅れていましたが、昨年9月のバージョン7.1アップデートでIntelおよびApple Siliconの両プラットフォームをサポート。以降、複数のメンテナンスアップデートを経て、現行のバージョン7.2.4に至っています。
Parallels DesktopやVMware Fusionといった競合製品と比較され、その無料提供は大きな魅力です。ただし、ビジネス・商用利用には年間ライセンスが必要で、1ライセンスあたり61ドル/48.73ポンド(1年間の技術サポート込み)と設定されています。最低100ライセンスからの注文となるため、主に大規模な企業ユーザーをターゲットにしていることが伺えます。
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VirtualBoxの最大の課題は、その使いやすさにあります。バージョン7.1でセットアップウィザードが導入されたものの、洗練された商用ソフトとは異なり、依然として高度な技術的知識が求められます。ダウンロードから仮想マシンの設定、解像度変更といった基本的な操作に至るまで、ITマネージャーや開発者向けに書かれた200ページ近いマニュアルを参照する必要があるなど、一般ユーザーには敷居が高いのが現状です。
一方、初期設定を乗り越えれば、CPUコア数やメモリ割り当てのカスタマイズ、macOSとのファイル共有(共有フォルダ、ドラッグ&ドロップ、クリップボード共有)などの機能は充実しており、インターネット接続もスムーズです。Oracle Cloud Infrastructureとの連携オプションも用意されています。
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M2 MacBook Proでのテストでは、デフォルト設定でもWindows 11 VMがスムーズに動作し、Microsoft EdgeやOutlookといった一般的な生産性ツール、さらにはCopilot AI機能も問題なく利用できることが確認されました。
しかし、ゲーム用途では厳しい評価です。Intel Macでは3Dアクセラレーションがサポートされず、Apple Silicon Macでは「実験的」な段階にとどまっています。また、Apple Silicon環境での「Seamless」モード(WindowsアプリをMacネイティブのように表示)では、ウィンドウ移動時のグラフィック残像や稀なクラッシュなど、まだ改善の余地が見られます。
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技術的には安定した動作を実現し、個人・教育用途では無料で利用できるVirtualBox。この点は高く評価できます。しかし、その複雑な設定プロセスを考慮すると、導入は主にIT部門の支援を受けられる法人ユーザーや、技術的な知識を持つ開発者、学生に限られるでしょう。一般的なホームユーザーや中小企業には、より直感的で使いやすいParallels Desktopなどの競合製品が推奨されます。それでも、自身のニーズに合うかどうかを確認するため、無料版を試してみる価値は十分にあります。
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