OpenAI、AI動画生成「Sora」で著名人の無断使用禁止へ – ディープフェイク問題に対応し保護強化

OpenAIは、AI動画生成アプリ「Sora」において、著名人の肖像や声を無断で使用した動画の作成を禁止する措置を導入しました。ハリウッド俳優のブライアン・クランストン氏や故人の遺族からの懸念を受け、俳優組合などとの協力体制を構築し、保護対策を大幅に強化する方針です。

OpenAIは本日、米俳優組合SAG-AFTRA、俳優のブライアン・クランストン氏、大手エージェンシーらと共同声明を発表。Soraでの声や肖像の保護を確実にするため、「建設的な協力」を進めることで合意しました。

これまでもOpenAIは、生身の人物の声や肖像の使用に関して「オプトイン」ポリシーを設けていましたが、クランストン氏の同意なくディープフェイク動画が作成されるなど、ポリシーが十分に機能しない事例が報告されていました。故ロビン・ウィリアムズ氏やマーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏の遺族からも同様の苦情が寄せられています。

こうした問題に対応するため、OpenAIは明確な同意なしでの声や肖像の複製に対する保護措置（ガードレール）を大幅に強化します。これにより、アーティストや個人が自身のシミュレーション方法を決定する権利を保障。今後寄せられる苦情に対しては「迅速に」対応することも約束しました。

一方で、故人の歴史的人物や著名人の描写については、「強力な表現の自由の利益がある」としつつも、公認の代表者や遺族からの申請があれば、Soraでの肖像使用を停止するとしています。

Soraは9月30日のリリース以降、App Storeで最も人気のあるアプリの一つとなっています。