学術著者2名が、AppleのAIシステム「Apple Intelligence」の学習に自分たちの著作物が無許可で利用されたとして、同社を相手取った集団訴訟を提起しました。

原告は、ニューヨーク州立大学（SUNY）健康科学大学の教授であるスサナ・マルティネス＝コンデ氏とスティーブン・マクニック氏。彼らの著作物である「Champions of Illusion」と「Sleights of Mind」が、Apple Intelligenceのトレーニングに使われる書籍群に、著作権侵害版として含まれていたと主張しています。

訴状によると、これらの著作物はAppleの基盤インテリジェンスモデル（Foundation Intelligence Models）やOpenELM言語モデルの学習に集約的に利用された可能性があり、モデル性能のテストや、著作権で保護されたコンテンツの出力防止フィルターとしても無許可で利用されているとのことです。

特に問題視されているのは、Appleの電子書籍サービス「Apple Books」が「Sleights of Mind」の販売ライセンスを保有しているにもかかわらず、Apple Intelligenceのトレーニングには関連ライセンスがない点です。この訴訟は、AI開発における著作権保護のあり方に新たな議論を提起するものとして注目を集めています。