Opera、AI搭載の新ブラウザ「Neon」発表 – 月額制でタスク自動実行

Operaは本日、サブスクリプションベースのAIに特化した新ブラウザ「Neon」を発表しました。AIを活用してタスクを自動実行する「エージェンティック・ブラウジング」機能を前面に打ち出し、同様のサービスを展開する企業との競争に参入します。

月額19.99ドルで早期アクセスユーザー向けに提供を開始したNeonは、従来のブラウジング体験を大きく超えることを目指します。AIがブラウザ内で直接タスクを実行する点が最大の特徴で、タブの開閉、複数ソース間の情報比較、さらにはユーザーに代わって取引を完了するといった高度な処理が可能です。Operaは今年5月にNeonのプレビューを公開しており、現在、順番待ちリストの登録者への招待を順次開始しています。

 タスク管理とAI連携を革新する主要機能

Neonの設計の中心となるのが「Tasks（タスク）」機能です。これはプロジェクトごとに独立した作業スペースを作成するもので、それぞれのタスクが独自のコンテキストを持つ「ミニブラウザ」のように機能します。これにより、AIは他の部分の情報にアクセスすることなく複数の情報源にわたって動作でき、例えば旅行の計画と商品のリサーチを同時に行っても、AIが文脈を混同することなく作業を進められます。

また、「Cards（カード）」機能も導入されました。これは再利用可能なプロンプト指示であり、一般的なワークフローを自動化するために組み合わせることができます。例えば、「詳細抽出」や「比較表作成」といった既存のカードを組み合わせることで、製品比較のプロンプトを瞬時に生成可能です。会議のメモを取る際には、「主要決定事項」「行動項目」「フォローアップ」のカードを積み重ねることで、必要な情報を適切な形式で収集できるとOperaは説明しています。ユーザーは独自のカードを作成したり、ブラウザ内のストアを通じてコミュニティが作成したオプションを利用したりできます。

 プライバシーを重視した「Neon Do」機能

Neonの最も意欲的な機能が「Neon Do（ネオン・ドゥ）」です。この機能により、アプリはユーザーがログインしたブラウザセッション内で、ウェブサイトのナビゲート、フォームへの入力、データ収集を行うことができます。クラウドベースの代替サービスとは異なり、Neon Doはローカルで動作するため、ログイン情報はプライベートに保たれ、ユーザーはいつでも操作を一時停止したり、制御を引き継いだりすることが可能です。

この新ブラウザは、Perplexityの「Comet Browser」やThe Browser Companyの「Dia Browser」など、同様の製品と直接競合することになります。Opera Neonが既存のOperaブラウザを完全に置き換えることはありませんが、その一部の機能は時間の経過とともにOperaブラウザに統合される可能性が高いと見られています。