iPhoneバッテリー寿命、充電方法は影響なし？「充電制限」が劣化抑制のカギか？独誌Macweltが最新調査

ドイツの専門誌Macweltが、iPhoneのバッテリー寿命に関する新たな調査結果を発表しました。昨年、充電制限がバッテリーの劣化を遅らせる可能性を指摘した同誌は、今年、ワイヤレス充電とケーブル充電のどちらがバッテリーの最大容量に影響を与えるかについて調査を実施。約230件のユーザーデータを分析した結果、興味深い知見が得られました。

 # バッテリー容量の持続性：200～300サイクルで99%以下に

調査によると、iPhoneのバッテリー最大容量はかなり長く持続する傾向にあります。通常、200〜300回の充電サイクルを経て初めて最大容量が99%を下回るようです。中には267回の充電サイクルを終えても100%を維持しているiPhoneも確認されました。

バッテリーの劣化は直線的に進むのではなく、平均して230回の充電サイクルあたりから低下が始まるという、曲線的な傾向が見られます。

 # 「充電制限」は劣化を抑制するが、影響は限定的

Macwelt誌は昨年、80%の充電制限がバッテリーの劣化を遅らせる可能性を示唆していました。iOS 18からは、充電制限が80、85、90、95%とより細かく設定できるようになっています。

今回の調査では、回答者の半数が充電制限なしで、4分の1が80%制限を設定していました。データ分析の結果、90%以下の充電制限を設定したiPhoneは、バッテリー最大容量が大きい傾向にあることが判明しました。

しかし、詳細な検証では、充電制限とバッテリーの劣化には相関関係があるものの、その影響はごく小さいことが示されました。バッテリー劣化のわずか5%しか充電制限では説明できず、残りの大部分は他の要因に左右されると考えられています。

 # ワイヤレス充電かケーブル充電か？ バッテリー寿命に影響なし

iPhoneをMagSafeなどのワイヤレス充電器で充電するか、ケーブルで充電するかがバッテリー寿命に影響するのか、という点も今回の調査の焦点でした。

分析の結果、充電方法とバッテリーの劣化の間には統計的に有意な相関関係がないことが明らかになりました。つまり、ワイヤレス充電、ケーブル充電、あるいは両方を交互に使用しても、バッテリーの寿命に与える影響はないと結論付けられています。

 # 結論：「充電制限90%以下」が推奨

Macwelt誌は、iPhoneのバッテリー寿命を長く保つために、充電方法はユーザーの好みで選んで問題ないとしつつも、充電制限を90%以下に設定することを推奨しています。特にiPhoneを1年以上使用するユーザーにとっては、この設定がバッテリーの劣化を緩やかにする助けとなるでしょう。