Beatsは先日、新型イヤホン「Powerbeats Fit」を発表しました。この発表イベントで、Apple MusicおよびBeatsのバイスプレジデントを務めるオリバー・シュッサー氏がメディアの取材に応じ、Beatsの戦略やApple Musicの今後について語りました。

20年以上にわたりAppleの音楽部門を牽引してきたシュッサー氏は、UniversalやBMG、Napsterなどを経て2004年にAppleに入社。iTunesの立ち上げに携わり、Apple Musicの創設にも参画。2018年にはApple MusicのVPに昇進し、2020年からはBeatsのリーダーも兼任しています。

 「BeatsはAppleだ」：独自のアイデンティティを維持

シュッサー氏は「BeatsはAppleだ」と明言しつつも、Beatsが2014年の買収以来、製品開発において独自の裁量を持ち続けていることを強調しました。BeatsのイヤホンはAirPodsとは一線を画すデザインが特徴で、両ブランドのチームは連携しつつも、Beats独自のサウンドエンジニアとデザイナーを維持し、深みのある音響プロファイルと大胆なデザインを追求しています。一例として、Powerbeats Pro 2の心拍センサーはAppleのエンジニアと共同開発され、後にAirPods Pro 3にも採用されました。

シュッサー氏は、Beatsがフィットネスや音楽分野で強い支持を得ており、特に若い世代との親和性が高い「文化的なブランド」であると説明。Appleユーザーだけでなく、AndroidユーザーにもBeats体験を提供するため、両OSにシームレスに対応していると語りました。

 アクセサリー事業への新たな挑戦

Beatsは近年、製品ラインナップをヘッドホンやスピーカー以外にも拡大しており、昨年はiPhoneケース、数カ月前にはUSBケーブルを発売。今回はiPhone 17向けの新ケースを発表しました。

シュッサー氏によると、アクセサリー事業への進出のきっかけは、アーティストコラボ製品に付属するカラーマッチングのケースやケーブルでした。「ケーブル作りが非常に得意だと気づいた」と語る同氏は、ヘッドホンと同様に「楽しく使える」をコンセプトに、プレミアムで高品質なアクセサリーを提供していく方針を示しました。Appleの単色ケーブルとは異なり、赤、ネイビー、ベージュなど多様なカラー展開も特徴です。

 Apple Musicの進化：一貫性と新しい体験

Apple Musicの将来について問われたシュッサー氏は、他社がソーシャル機能について多く語る中で、Apple Musicも楽曲やプレイリストの共有、友人の視聴状況確認が可能であると述べ、ユーザーからのフィードバックを常に歓迎する姿勢を示しました。

また、プラットフォーム間の一貫性強化にも注力しており、iOS 26ではこれまでMac版限定だったApple Musicのフォルダ作成機能が追加されました。iOS 26とmacOS 26ではAutoMixなどの新機能が同時に提供され、よりシームレスな体験を目指しているとのこと。

今年オープンしたロサンゼルスの新施設「Apple Music Studio」の重要性にも触れ、BeatsとApple Musicが今後もユーザーに新しい体験を提供し続けることを示唆しました。