# クアルコム新チップ「Snapdragon X2 Elite Extreme」、Apple M4 Maxと互角の性能を示すも将来に課題

クアルコムが発表した新型ノートPC向けチップ「Snapdragon X2 Elite Extreme」が、PC市場に新たな波を起こす可能性が注目されています。ある業界メディアが実施したベンチマークテストの結果、Appleの現行M4 Maxチップとほぼ同等の性能を発揮することが判明しました。

Snapdragon X2 Elite Extremeは、18のCPUコア（4.4GHzのプライムコア12個、3.6GHzのパフォーマンスコア6個）で構成されています。これに対し、比較対象となるAppleのM4シリーズは、M4 Maxが16コア（4.52GHzのパフォーマンスコア12個、2.59GHzのエフィシエンシーコア4個）、M4 Proが14コア、M4が10コアという構成です。

性能評価では、Geekbench 6のマルチコアテストにおいてM4 MaxがSnapdragonチップを約8.5%上回る結果となりました。しかし、シングルコアテストではSnapdragonチップがM4を約7%上回るなど、両者は一長一短の関係にあります。ユーザーが体感できる差が10%未満とされることから、これらの結果は「ほぼ互角」と評価されています。また、Cinebench 2024のテストでも、両チップは基本的に同等の性能を示しました。

現時点ではAppleが昨年11月に発表したM4 Maxに匹敵する性能を見せるQualcommの新型チップですが、PC市場での競争はさらに激化する見込みです。Appleは間もなく次世代チップ「M5」シリーズを発表すると予測されており、過去の傾向からM4シリーズと比較してCPU性能が15%から20%向上すると見られています。

このため、Snapdragon X2 Elite Extremeを搭載したノートPCが本格的に市場に出回る頃には、その最有力競合はすでに旧世代となったMacBook、あるいはそれよりもさらに高性能なM5搭載MacBookとなっている可能性が高いと指摘されています。Qualcommの新型チップがPC市場にインパクトを与えるためには、さらなる進化が求められそうです。