iPhone Air、最薄ながら修理しやすさで高評価 iFixit分解で7/10点

Appleの最新スマートフォン「iPhone Air」が、その驚くべき薄さにもかかわらず、修理のしやすさで過去のiPhoneモデルを上回る高評価を獲得し、業界を驚かせています。通常、デバイスの小型化が進むと修理は困難になる傾向がありますが、今回のiFixitによる分解調査では、その定説を覆す結果が示されました。

iFixitは「iPhone Air」に対し、修理しやすさスコアで10点満点中7点という、iPhoneシリーズでは最高クラスの評価を与えました。これは、iPhone 15および16シリーズと同等のスコアであり、過去のほとんどのiPhoneが6点以下だったことを考えると、異例の高さと言えます。

評価のポイントとして、iFixitは「薄い方が、基本的な修理において複数の層を掘り進む必要がないため、実際には修理しやすい場合がある」と指摘しています。

特に高く評価されたのは、2022年から導入されたデュアルエントリーシステムの継続です。これにより、背面ガラスまたは前面からiPhoneの内部にアクセスできるため、最も一般的な修理であるバッテリーや画面の交換作業が格段に容易になりました。また、ロジックボードなどの内部レイアウトに一部変更は見られるものの、修理業者が新しい配置に習熟すれば大きな障害にはならないとされています。

一方で、いくつかの課題も指摘されています。USB-Cポートはモジュール化されてはいるものの、本体側面に沿って走るケーブルの取り外しが難しいこと、Apple独自のペンタローブネジ、そして背面カメラの分解の難易度などが挙げられました。

また、偶然行われたチタンフレームの曲げテストでは、四分割された構造ゆえにコーナー付近にわずかな弱点があることも判明しました。しかし、全体的には「比較的簡単な分解作業」と結論付けられています。

iFixitは最終的に、近年Appleがスペアパーツの供給や修理マニュアルの公開に積極的である点、そして部品の「パーツペアリング」の問題も改善傾向にある点を評価。「かなりモジュール化されたスマートフォン」と称し、7点という高い仮スコアに貢献したと分析しています。

この7/10というスコアは、他社の主要スマートフォンと比較しても良好な水準です。例えば、昨年評価されたGoogle Pixel 9が5/10、Samsung Galaxy S23 Ultraが4/10であることと比べても、「iPhone Air」の修理しやすさが際立っていることが分かります。