Appleは先日、Siriの一部の機能の提供遅延を巡る米国での集団訴訟に対し、却下申し立てを行いました。
この訴訟は、昨年発売されたiPhone 16で大々的に宣伝された「Apple Intelligence」の一部であるSiri機能が、約束通りに提供されていないことに起因するものです。

原告側は、もしAppleが宣伝していたSiri機能の提供が遅れることを知っていれば、iPhone 16を購入しなかったか、より低い価格で購入しただろうと主張しています。

これに対しAppleの弁護団は、遅延しているのは「状況認識」と「アプリ内制御」というわずか2つのSiri機能に過ぎないと反論。すでに20近くの「Apple Intelligence」機能は提供されており、「この限定的な遅延をもって、原告の広範な請求を支持することはできない」と訴えました。

また弁護団は、iPhone 16の購入者はカメラやチップ性能の向上、ディスプレイのアップグレードなど、数々のハードウェアおよびソフトウェアの改善から恩恵を受けていると強調。Siri機能の遅延が保証違反には当たらないとの見解を示しています。

Appleは昨年6月の開発者会議WWDC 2024で、個人の文脈を理解し、画面上の情報やアプリ内での操作に基づいてより高度な応答が可能なSiri機能を発表。例えば、メールやメッセージアプリの情報から母親のフライトやランチ予約について尋ねるデモが披露されました。

しかし、今年3月にこれらの機能の提供遅延が発表され、Appleのティム・クックCEOは7月、「順調に進捗しており、来年リリースを目指す」と述べています。報道によると、AppleはiOS 26.4の一部として、来年3月か4月頃に当該機能のリリースを計画している模様です。

これらのSiri機能は、製品プレゼンテーションやウェブサイト、俳優を起用したテレビCMなど、様々な形で大々的に宣伝されていました。訴訟は「Landsheft対Apple Inc.」として、カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所で審理されています。