Apple、「AirPods Pro 3」を発表 – フィット感と心拍数モニタリングが進化、価格は据え置き

Appleは、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「AirPods Pro 3」を発表しました。外見上の大幅な変更はないものの、細部にわたる改良が積み重ねられ、特に装着感の劇的な向上と心拍数モニタリング機能の追加が注目されます。価格は前モデルと変わらず249ドル（日本での販売価格は未定）です。

 劇的に改善された装着感

AirPods Pro 3の最大の特徴は、新開発の「フォーム入りイヤーチップ」と本体デザインの微調整により、フィット感が大幅に改善された点です。イヤーチップの角度が内側に傾き、さらにXXSサイズが追加されたことで、ユーザーはより快適で安定した装着感を得られるようになりました。これにより、運動中も外れにくくなり、これまでのAirPodsが抱えていた装着感の問題が大きく解消されたと評価されています。

 心拍数モニタリング機能を搭載

新たに心拍数モニタリング機能が搭載され、iOS 26との連携により、ワークアウト中に耳から直接心拍数を測定できるようになりました。Apple Watchと併用している場合は、両方のデータから最も正確な値を選択して記録します。バッテリー持続時間の制約から、この機能はワークアウト時に限定されますが、フィットネスに関心のあるユーザーにとって有用なオプションとなるでしょう。

 音質とノイズキャンセリングも強化

音質面では、低音域のレスポンスが向上し、より広いサウンドステージを実現。ノイズキャンセリングと外部音取り込み機能もわずかに強化されています。ただし、H3チップの搭載やロスレスオーディオへの対応といった、オーディオ技術における革新的な進歩は見られず、一部では「AirPods Pro 2.5」と揶揄する声も聞かれます。

 バッテリー駆動時間と充電ケース

本体のバッテリー駆動時間は、ノイズキャンセリングON時で最大8時間と、前モデルからわずかに改善されました。一方で、充電ケースが提供する追加充電時間は16時間分となり、AirPods Pro 2の24時間から減少しています。

 総評：確実に進化した「Appleの新たなヒット商品」

AirPods Pro 3は、Appleがこの10年で最高の製品の一つと評される「AirPods Pro 2」に、革命的な新機能を追加したわけではありません。しかし、賢明なデザインと構造の調整により、フィット感、快適性、音質、バッテリー寿命、そして心拍数モニタリング機能という形で、既存の製品を確実に改善しています。

既存のAirPods Pro 2ユーザー、特にApple Watchを所有している場合は、サードパーティ製のフォームイヤーチップを試すことで、AirPods Pro 3の多くの恩恵を得られる可能性もあります。しかし、それ以外のユーザーにとっては、これらの改善点と価格据え置きを考慮すると、AirPods Pro 3は強く推奨できる「Appleの新たなヒット商品」と言えるでしょう。