Appleが新型AirPods Pro 3を発表：買い替えを慎重に検討すべき7つの理由

Appleは先日開催されたiPhone 17発表イベントにおいて、待望の新型ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 3」を披露しました。リアルタイム翻訳機能やアクティブノイズキャンセリング（ANC）の強化、バッテリー駆動時間の延長、心拍センサーの搭載など、多くの魅力的なアップグレードがアナウンスされています。

しかし、詳細な仕様を検証すると、既存のAirPods Pro 2ユーザーや新規購入者が、安易にこの新型モデルに飛びつくべきではない複数の理由が見えてきます。本記事では、その7つの理由を解説します。

 # 1. リアルタイム翻訳機能は旧モデルでも利用可能

AirPods Pro 3の主要な新機能として注目されるリアルタイム翻訳は、他社製品ではすでに提供されていましたが、AirPods Pro 3でApple製品に導入されました。しかし、この機能はAirPods 4（ANC搭載モデル）やAirPods Pro 2でもソフトウェアアップデートを通じて利用可能となるため、この機能のためにPro 3へ買い替える必要はありません。

 # 2. 搭載チップはH2のまま

AirPods Pro 3は、2022年にAirPods Pro 2で初採用されたH2チップを継続して搭載しています。Appleの製品戦略を鑑みると、チップが同じであるということは、Pro 2とPro 3が同じ期間にわたってソフトウェアアップデートを受け続ける可能性が高いことを示唆します。発売から3年が経過した技術に、最新モデルとしてのプレミアム価格を支払うのは、長期的な視点で見ると賢明ではないかもしれません。

 # 3. 充電ケース込みの総再生時間が減少

イヤホン単体での連続再生時間はAirPods Pro 2の6時間からPro 3では8時間に延長されました。これは一見すると大きな改善に見えます。しかし、充電ケースを含めた総再生時間は、Pro 2の30時間からPro 3では24時間に短縮されています。多くのユーザーにとって連続6時間以上の使用は稀であり、総合的なバッテリー持続時間としてはむしろ劣化と捉えることもできます。

 # 4. 心拍センサーはApple Watchと機能が重複

各イヤホンに心拍モニターが搭載され、ワークアウト中の心拍数計測が可能になりました。しかし、Apple Watchを既に所有しているユーザーにとって、この機能は重複します。Apple Watchは運動時以外でもより包括的な健康データを収集できるため、AirPods Pro 3の心拍センサーの必要性は低いでしょう。

 # 5. 充電ケーブルが非同梱に

AppleがLightningからUSB-Cへの移行を進める中で、AirPods Pro 3では充電ケーブルが箱に同梱されなくなりました。これは、ユーザーが別途ケーブルを購入する必要があることを意味し、追加のコストと不便さを伴います。

 # 6. AirPods Pro 2のコストパフォーマンスの高さ

上記の理由から、AirPods Pro 2をすでに持っているユーザーは、現時点での買い替えのメリットは少ないと言えます。また、新規購入を検討している場合、AirPods Pro 3の発表に伴いPro 2が割引価格で販売される可能性があり、価格対性能比でPro 2がより魅力的な選択肢となるでしょう。

 # 7. 次世代モデルの登場が視野に

2026年秋には、ジェスチャーコントロール機能や、より強力なH3チップを搭載した、さらに上位のAirPods Proモデルが登場するとの噂があります。これらの革新的な機能と将来性を考慮すると、現行のAirPods Pro 3を急いで購入せず、次世代モデルの登場を待つか、現行のPro 2で十分と判断するのも一考に値します。

 # 結論

AirPods Pro 3はいくつかの進化を遂げているものの、AirPods Pro 2と比較して、価格に見合うほどの画期的なアップグレードとは言い難い側面があります。特にApple Watchユーザーや既存のAirPods Pro 2ユーザーは、購入を慎重に検討し、自身の使用状況やニーズに最適な選択をすることが推奨されます。