「何でも再生」のVLC、大手アプリを凌駕した学生発メディアプレイヤーの秘密とMac活用術

巨大テック企業が複雑なメディアアプリを次々と投入する中、一つの地味なオープンソースプロジェクトが、その牙城を静かに食い破ってきた。それが、どんな奇妙なファイル形式でも再生できることで知られる「VLCメディアプレイヤー」だ。特にMacユーザーにとっては、その活用術を知ることで、より豊かなメディア体験が可能になるだろう。

VLCは、Appleデバイスで動作する無料のオープンソースメディアプレイヤーとして広く知られている。その最大の強みは、外部のコーデックを一切必要とせず、多岐にわたるファイル形式をサポートしている点にある。この圧倒的な互換性が、競合する大手企業のメディアアプリを凌駕する決め手となった。

この画期的なプレイヤーは、企業の研究施設やシリコンバレーのインキュベーターから生まれたものではない。その起源は1996年、パリの学生たちがキャンパス内でテレビをストリーミング配信したいという純粋な願望から始まったプロジェクトにある。