iPhone 17 Pro、長年の「プロの象徴」黒モデルが消滅か？

Apple製品における黒色は、長年「Pro」モデルの象徴として位置づけられてきました。MacBook ProやiPad Pro、iMac Proなど、多くのプロフェッショナル向けデバイスで、黒は単なる色ではなく「Pro」の代名詞として機能してきました。

しかしこの秋、新たなiPhone 17 ProおよびPro Maxシリーズの登場で、この伝統に異変が生じました。最新モデルでは、ジェットブラック、ミッドナイト、スペースブラックといったお馴染みの黒系のオプションが姿を消したのです。Appleが最も重要な「Pro」製品から、最も「Pro」らしい色を事実上廃止したことになります。

 # 黒いiPhoneの歴史と今回の変化

iPhone 3G以来、黒は常にiPhoneの主要な選択肢として存在してきました。スペースグレイのような明るいバリエーションが登場する一方で、ダークでニュートラルな色を好むユーザー向けに、常に黒系のオプションが提供されてきました。

2016年には、傷つきやすいにもかかわらずコレクターズアイテムとなった「ジェットブラック」がiPhone 7で登場。その後もiPhone Xのブラック＆ホワイトのみの展開、iPhone 11 Proのスペースグレイ、iPhone 12 Pro/13 Proのグラファイト、そして「これまでで最も暗いiPhone」として話題を呼んだiPhone 14 Proのスペースブラックなど、黒は常に進化を遂げてきました。

iPhone 15 Proではスペースブラックが標準的な色となり、iPhone 17 Proでも提供されると噂されていましたが、蓋を開けてみればその選択肢はどこにも見当たりませんでした。発売前の内部資料では、iPhone 17 Proが伝統的な黒、白、シルバーに加えてディープブルーとコズミックオレンジで展開される可能性が示唆されていましたが、黒は実現しませんでした。

 # 「Pro」ユーザーにとっての黒の重要性

Appleが意図的に「Pro」の象徴たる色から離れたのか、あるいは素材科学の進化に伴う偶然の産物なのか、その理由は明らかになっていません。新しい素材との兼ね合いや、過去の黒いアルミニウム製iPhone（iPhone 5など）が傷つきやすかった経験が影響している可能性も指摘されていますが、Appleがそれ以降も黒いアルミニウム製品を製造していることを考えると、明確な理由は不明です。

「Pro」ユーザーにとって、黒は単なる安全な色ではありません。それは「主張」であり、プロフェッショナルなワークフローにシームレスに溶け込む色です。会議室で目立つことなく、控えめでエレガント、洗練された印象を与えるため、多くのビジネスユーザーに選ばれてきました。

iPhone 17 Proで黒色の提供を見送ったことは、Appleの製品ラインアップに一貫性のないギャップを生み出すと指摘されています。スペースブラックのMacBook ProとiPad Proを揃えても、iPhoneだけはシルバーやオレンジといった色を選ぶことになり、エコシステム全体で見た時に統一感が損なわれる懸念があります。

 # 今後の展望

Appleは、新しい仕上げも同様にプレミアムであると主張するかもしれませんが、黒の不在は「Pro」ユーザーにとって大きな誤算となり得ます。Proユーザーは一貫性を重視しており、多くの場合、黒が最も一貫性があり、プロフェッショナルな選択肢だからです。

Appleはこれまでも、グリーン、パープル、ゴールドといった色を製品サイクルの中で再導入してきた歴史があります。来年以降に黒色が再び登場する可能性もゼロではありません。しかし現状では、黒いMacBookやApple Watchに合う「Pro」のiPhoneを求めるユーザーにとって、選択肢は限られています。黒がなければ、iPhone 17 Proシリーズはどこか「Pro」らしさに欠ける印象を与えるかもしれません。