Google、新AIアシスタント「Gemini for Home」を発表 10月1日より展開へ

Googleは、生成AIを搭載した次世代スマートホームアシスタント「Gemini for Home」を、10月1日から早期アクセスプログラムを通じて提供開始すると発表した。既存のGoogleアシスタントの後継となるもので、スマートホームプラットフォームの大幅な刷新を意味する。AI技術の導入で先行するGoogleに対し、AppleのSiriは展開の遅れが指摘されている。

「Made by Google 2025」イベントで発表されたGemini for Homeは、既存のすべてのNestスマートスピーカーやディスプレイ、そして今後登場するデバイスに搭載される。Googleの最新AIモデルを活用することで、より自然な会話、文脈を理解した推論、複数のステップを含む複雑なコマンド実行を可能にした。従来の「Hey Google」という起動フレーズは変わらないものの、厳密な言い回しは不要となり、ユーザーはより自然な言葉で話しかけられるようになる。

デモンストレーションでは、「照明を暗くして、温度を72度に設定して」といった連続した指示や、「寝室以外すべての照明を消して」といった例外を含むコマンドも実行できることが示された。

Gemini for Homeは、スマートホームの制御にとどまらない広範な機能も提供する。買い物リストの作成、レシピの提案、トラブルシューティングの支援、旅行のアドバイスなど、活用範囲を大きく拡大。また、「Gemini Live」機能により、対話中に繰り返しホットワードを言う必要なく、継続的な会話が可能となる。

今回のGoogleの動きは、2026年に大規模なアップデートを控えるAppleのSiriに、一段とプレッシャーを与えるものとみられる。Siriはまだ、連続コマンドや高度な推論、文脈に応じた自動化といった同等の機能を実現しておらず、AppleのHomeKitも事前設定された自動化と単一アクションコマンドが中心だ。AppleはHomePodやApple TVへのAI強化については、現時点では発表していない。

Gemini for Homeは、10月1日から対応地域のNest Hub、Nest Mini、Nest AudioデバイスのGoogleアシスタントに順次置き換えられ、その後、広範囲に展開される予定だ。