Google、Appleとの検索契約継続を許可されるも条件付き 米裁判所が判断

米国の独占禁止法訴訟において、GoogleがAppleなどの企業と検索契約を結ぶことが、条件付きで許可されることになりました。裁判所は、Googleに対しChromeブラウザやAndroid OSの売却を求める政府の要求を退ける一方、独占的な契約の禁止やデータ共有義務などを課す判断を下しました。

今回の判決により、Googleは引き続きAppleに対し、iPhone上で自社の検索エンジンをデフォルトオプションとして表示させるための支払いを行うことが可能となります。Appleはこれにより年間およそ200億ドル（約3兆円）を得ており、両社の契約が禁止される可能性も指摘されていました。

担当裁判官は、Googleから配布パートナーへの支払いを全面的に禁止することは、「配布パートナー、関連市場、そして消費者に実質的、場合によっては壊滅的な悪影響をもたらす」と指摘。広範な支払い禁止措置を適用しない判断を下しました。Googleは今後も、Google検索、Chrome、Geminiのプレロードや配置のために、配布パートナーに金銭的な支払いを含む「その他の対価」を提供することが具体的に許可されます。

一方、米司法省（DOJ）が求めていたChromeブラウザやAndroid OSの強制売却については、「政府は資産の強制売却を求める点で過剰だった」として、裁判所はGoogleの資産売却を不要と判断しました。

しかし、Googleには複数の制限が課せられます。具体的には、検索エンジンの独占的な配布契約は禁止され、また、競合する検索エンジンとのデータ共有が義務付けられます。これは、Googleが検索結果をどのように決定しているかに関するデータの提供をDOJが求めていたことによるものです。

Googleは2024年8月に検索市場における独占を認定され、それ以降、その独占状態を解消するための措置が検討されてきました。DOJはChromeとAndroidの売却を強く求めていましたが、今回の判決でその要求は退けられた形です。

Googleは、特にデータ共有の義務付けを主な理由として、今回の判決を控訴する可能性が高いと見られています。