イーロン・マスク氏率いるX Corp（旧Twitter）と、AI製品「Grok」を開発するxAIが、AppleとOpenAIを連邦裁判所に提訴しました。両社は、AI業界における競争を排除するため共謀したと主張しています。

訴訟はテキサス州北部地区のフォートワース連邦裁判所で提起されました。この裁判所は保守派に友好的で、法的前例に逆らって偏った判決を下すとの批判や、「判事漁り」の標的となることで知られています。

61ページにわたる訴状では、AIを「人類がこれまでに作り出した最も強力なテクノロジー」と位置づけ、AppleとOpenAIの提携が他のAI企業の競争を不可能にしていると指摘しています。特に、iOS 18へのChatGPT統合がxAIの競争を妨げると主張。AppleがApp Storeで他のAIチャットボットや「スーパーアプリ」（Xなど）の優先順位を不当に下げ、アプリ審査プロセスを意図的に遅らせているとも訴えています。

X CorpとxAIは、マスク氏が2025年3月にX社をX.AI社に売却したとされる親会社X.AIホールディングス傘下にあります。

訴訟では、陪審員による裁判、恒久的な差し止め命令、金銭的損害賠償、懲罰的損害賠償、判決前後の利息、訴訟費用の支払いを求めています。

現在、iOS App Storeの無料アプリランキングではOpenAIのChatGPTが1位を占めている一方、Grokは22位、Xは28位となっています。マスク氏がX上でApp Storeのランキングに疑問を呈した後、AppleはApp Storeのアルゴリズムは「公平で偏りがない」と以前から主張してきました。

2024年のWWDCでChatGPTの統合が発表された際、Appleは「将来的に他のAIモデルのサポートも追加する意向」だと述べており、今後数ヶ月のうちにGoogleのGeminiが統合されるとの噂も根強くあります。