WhatsAppが、iPhoneユーザー向けにAIを活用した文章作成アシスタント機能「Writing Help」のテストを開始しました。メッセージプラットフォーム上でのコミュニケーション改善を目指すもので、米メディアWaBetaInfoが報じています。

この機能は既にAndroid版で提供されており、ユーザーがチャット入力欄に文章を入力すると、アプリのインターフェース内に表示されます。具体的には、チャットバーのステッカーアイコンがペンシンボルに変わり、AIアシスタントが利用可能であることを示します。

ユーザーがペンシンボルをタップすると、メッセージ送信前に内容の構造、トーン、明瞭度を改善するための提案が表示されます。提案は「リフレーズ（明瞭さと流れを改善）」「プロフェッショナル」「面白い」「協力的」「校正」の5つのオプションに基づいており、少なくとも3つの代替表現が提示されます。ユーザーはこれらの提案の一つを選ぶか、元のメッセージを維持することができ、AIが使用されたことは相手に通知されません。

Metaによると、この「Writing Help」機能は、同社アプリ全体で利用されている他のMeta AIツールと同様の「Private Processing」システム上で動作します。Android版と同様に、このアシスタント機能はデフォルトではオフになっており、手動での有効化が必要です。

Metaは、ユーザーデータは保存されず、メッセージは暗号化され匿名で処理されると説明しています。また、AIスキャンは入力ボックス内の下書きに限定され、会話履歴は対象外とされています。

現在、この機能はTestFlightを通じたベータ版として提供されており、正式リリース時期の明確なタイムラインは示されていません。しかし、MetaがAI駆動ツールの展開を加速させていることから、「Writing Help」も比較的早期に多くのユーザーに提供される可能性が高いと見られています。

なお、AppleがiOS 18で提供する「Apple Intelligence」の「Writing Tools」には、テキストの校正、書き換え、要約機能が含まれますが、現時点ではMeta製アプリ内では利用できません。過去にはAppleがMetaとのAIモデル統合を協議したものの、プライバシー上の懸念から見送り、代わりにOpenAIと提携してChatGPTへのアクセスをSiriに組み込む決定をした経緯があります。