Apple、次世代SiriにGoogle Gemini採用協議か交渉の舞台裏

Appleが、次世代SiriのAI基盤としてGoogleの「Gemini AI」を活用する方向でGoogleと協議していることが、Bloombergの報道で明らかになりました。交渉はまだ初期段階ですが、AppleはGoogleに対し、Siri向けに特化したカスタムAIモデルの開発を依頼したとされています。

これに対しGoogleは、AppleのPrivate Cloud Computeサーバー上で動作するモデルのトレーニングに着手しています。Appleは以前からOpenAIやAnthropicとも同様の協議を進めており、これらの企業もAppleのサーバー向けモデル開発に取り組んでいる模様です。

しかし、Appleは現時点で、第三者製のAIソリューションを採用するか、あるいは自社で開発を進める大規模言語モデル（LLM）を用いるか、最終的な決定には至っていません。同社は現在、自社製を含む複数のLLMをテストし、顧客にとって最適な結果をもたらすモデルを慎重に選定しています。新たなSiriは、Apple独自のモデルを搭載するバージョンと、第三者モデルを利用するバージョンの両方が開発されていると報じられています。

AppleはSiriのアーキテクチャ全体を見直す「第二世代Siri」の開発を進めており、ソフトウェアエンジニアリング担当責任者のクレイグ・フェデリギ氏はこれを「エンドツーエンドの刷新」と表現しています。この刷新により、「Apple Intelligence」としてiOS 18で約束されたパーソナライゼーションなど、より高度なAI機能を実現するための土台が整ったとのことです。フェデリギ氏は「発表した以上の、はるかに大きなアップグレードを提供できる位置にある」と述べています。

なお、Appleは当初、Anthropicとの提携に傾倒していましたが、料金面の問題から他のAI企業も検討対象に加えたとされています。現時点では、Google、OpenAI、Anthropicのいずれとも正式な契約は締結されていません。次世代SiriのLLM版は、2026年春に登場するとの憶測も流れています。