米医療技術企業マシモは水曜日、米国税関・国境警備局（CBP）に対し、アップルがApple Watchに血中酸素モニタリング機能を再導入することを許可した決定は不法であるとして提訴しました。

提訴状によると、CBPは昨年（2023年12月）の輸入禁止裁定を覆し、今年8月1日付でアップルがパルスオキシメトリー技術搭載の時計を輸入することを許可しました。マシモは、この決定が同社に通知されることなく行われた上、アップルがソフトウェアアップデートによる機能再導入を公表した8月14日まで裁定を知らなかったと主張しています。

マシモは、CBPがアップルの「回避策」（血中酸素の計算処理をApple WatchからペアリングされたiPhoneに移す方法）を許可したことは、権限の逸脱であると訴えています。この回避策による機能も、国際貿易委員会（ITC）が以前にマシモの特許を侵害していると判断した機能と同等であると指摘しました。

同社は、CBPの決定を阻止するための仮処分命令と予備的差し止め命令を求めています。「CBPの役割はITCの排除命令を執行することであり、それを無効にする抜け穴を作るものではない」とマシモは主張しています。

この紛争の背景には、2023年12月にITCがアップルの血中酸素センサーがマシモの特許を侵害していると認定し、当該機能が有効なApple Watch Series 9およびUltra 2モデルに対し輸入禁止命令を出したことがあります。アップルは一時的に米国での販売を停止した後、2024年1月18日に血中酸素モニタリング機能なしで販売を再開していました。

しかし先週、アップルはiOS 18.6.1とwatchOS 11.6.1をリリースし、血中酸素機能の計算をiPhoneに移行させることで、同機能を再導入しました。これに対しマシモが今回の訴訟に踏み切った形です。