イーロン・マスク氏、Appleを提訴の構え App Storeランキング巡り独占禁止法違反を主張

イーロン・マスク氏は、AppleがApp StoreのランキングにおいてOpenAIのChatGPTを不当に優遇し、独占禁止法に違反しているとして、法的措置を講じる構えを見せています。

マスク氏は自身が所有するソーシャルメディア「X」（旧Twitter）への投稿で、「AppleはOpenAI以外のいかなるAI企業もApp Storeで1位になるのを不可能にする形で振る舞っており、これは明白な独占禁止法違反だ」と述べ、自身のAIアシスタント「Grok」を開発するxAIが直ちに法的措置を取ると表明しました。

彼はまた、GrokやXがApp Storeの「Must Have」セクションに掲載されていないことを批判。現在、無料アプリのランキングではChatGPTが首位に立つ一方、Grokは6位、GoogleのGeminiは57位に位置しています。

しかし、マスク氏はこの主張を裏付ける具体的な証拠は提示していません。一方で、他のXユーザーからは、AppleとOpenAIの提携が発表された後でも、AIアプリのDeepSeekが今年1月にApp Storeで総合1位を獲得したとの指摘が出ています。OpenAIのサム・アルトマンCEOも、マスク氏が自身のソーシャルメディアプラットフォームを自社に有利に操作しているとの疑惑がある中で、今回の主張は「注目に値する」と反論しました。

今回のマスク氏の発言は、AppleがApp Storeの慣行を巡り、規制当局や競合他社から高まる圧力に直面している中で飛び出しました。今年4月には、米国の裁判官が、人気ゲーム「フォートナイト」開発元のEpic Gamesが提起した訴訟に関連し、AppleがApp Storeの競争を阻害する裁判所命令に違反したと判断し、刑事的侮辱罪での調査を示唆。また同月、欧州連合（EU）は、開発者がApp Store外の安価な提供元へユーザーを誘導するのを制限したとして、Appleに5億ユーロの罰金を科しています（Appleは控訴中）。