Apple Watchの次期モデルに搭載されるS11チップについて、プロセッサ性能の大きな向上が見送られる可能性が浮上しました。アップルの内部情報が偶発的に流出したことにより、S11チップが現行のS9およびS10チップと同じアーキテクチャを採用していることが判明しています。

Apple Watch Series 11、Apple Watch Ultra 3、そしてApple Watch SE 3に搭載されるとみられるS11システム・イン・パッケージ（SiP）は、S9およびS10チップと同様の「T8310」アーキテクチャを使用していることが確認されました。これにより、演算性能の大幅な向上は期待できないとみられています。

Apple Watch向けSシリーズチップでは、複数世代にわたり同じ基本アーキテクチャを使用するのは珍しいことではありません。過去にはS6、S7、S8チップが同様のコア技術を共有していました。S9およびS10チップは、アップルのA16 Bionicチップにも搭載されている「Sawtooth」性能コアを2基使用しており、手首に装着するデバイスとしては十分な処理能力を持っています。これらは64ビットのデュアルコアプロセッサで、4コアのNeural Engine、第2世代の超広帯域無線（UWB）サポート、そして64GBのストレージを搭載しています。

基盤となる技術は同じであっても、アップルがS10チップで行ったような物理的な薄型化など、設計上の微調整を加える可能性はあります。

2025年モデルのApple Watchに搭載されるS11チップが現状維持となる見込みであることから、2026年向けのS12チップでは、新しいマイクロアーキテクチャの採用と性能向上が期待されています。

また、流出したコードからは、将来のApple Watchモデルのコードネームも明らかになっています。これには、Apple Watch Series 11（N227/N228）、Apple Watch Ultra 3（N230）に加え、Apple Watch Series 12（N237/N238）、Apple Watch Ultra 4（N240）といった次世代モデルの存在が示されています。

Apple Watch Ultra 3、Apple Watch Series 11、そしてApple Watch SE 3は、今年9月に開催されるアップルのイベントで発表されると予想されています。