アンカー、極薄モバイルバッテリー発表：携帯性と性能を両立

アンカーは、極薄かつ軽量ながら高い充電性能を誇るモバイルバッテリー「Anker Nano MagGo 5K Slim」を発表しました。この製品は、驚異的な薄さと携帯性を追求しつつ、優れた充電性能を発揮すると専門家からも高い評価を得ています。

厚さはわずか0.86cm（0.34インチ）という業界最薄クラスを実現し、これまでの磁気ワイヤレス充電対応モバイルバッテリーの記録を更新しました。本体サイズは10.2 × 7.1 × 0.86cmで、iPhone 12以降の磁気ワイヤレス充電対応iPhoneに完璧にフィットします。重さもわずか122g（4.3オンス）と非常に軽量で、持ち運びにも最適です。この極小サイズながら、USB-Cポート、4段階のバッテリー残量インジケーター、電源ボタンも搭載されています。

容量は5,000mAh（19.35Wh）で、テストでは高い充電性能が確認されました。例えば、バッテリー残量0%のiPhone 16 Proを77%まで充電することが可能です。この性能は、他の5,000mAhクラスの磁気モバイルバッテリーと比較しても遜色なく、競合製品に匹敵する、あるいは上回る結果を示しています。

Qi2ワイヤレス充電技術に対応しており、AppleのMagSafeと同等の最大15Wでの高速ワイヤレス充電を実現。従来の7.5W磁気モバイルバッテリーの2倍の速さです。さらに、USB-Cポートからの有線充電も可能で、最大20Wの出力に対応し、急いでいる時でも迅速な充電が可能です。

バッテリー保護のため、グラフェン冷却技術とデュアルNTCチップを組み合わせた温度管理システムが搭載されており、デバイスの温度を40℃以下に保つように調整されます。しかし、その極薄設計ゆえに、夏場の高温環境下では厚みのある製品よりも本体が熱を持つ傾向が見られました。この際、保護回路が作動して充電速度が一時的に変動する場合があります。

具体的な充電テストでは、iPhone 15を30分間で22%から32%まで充電できることが確認されました。また、iPad ProやM3 MacBook Airへの20W有線充電も可能で、それぞれ27%、14%の充電率を記録しています。モバイルバッテリー本体の充電時間は、20W入力で約1.5時間です。

Anker Nano MagGo 5K Slimは、価格が54.99ドル（記事執筆時点のレートで約8,600円）で提供されます。カラーはグレー、ブラック、ホワイトが基本で、USB-C充電ケーブルが同梱されています。

Anker Nano MagGo 5K Slimは、これまでの記録を破る極薄設計が最大の特徴であり、携帯性を最重視するユーザーにとって理想的な選択肢となるでしょう。高速かつパワフルなQi2磁気ワイヤレス充電とUSB-Cポートによる性能は魅力的ですが、特に高温環境下では温度管理と充電速度の変動というトレードオフも考慮に入れる必要があります。