Appleの情報漏洩、実は宣伝戦略か？ 過去の「口約束」に懸念

Appleのティム・クックCEOが、社内メモ漏洩問題に頭を悩ませる中、最近流出した全社会議の議事録は、同社にとって「都合の良い」内容であったと指摘されています。この議事録には、クックCEOが「素晴らしい」新製品ラインアップに期待を寄せていることや、AI分野への大規模投資と将来的な市場支配への自信が示されており、通常の情報漏洩とは異なる印象を与えました。

記事は、この「漏洩」が、むしろAppleのイメージアップにつながる、巧妙な情報発信の一環ではないかと推測しています。かつてスティーブ・ジョブズ氏が掲げた「本物のアーティストは製品を出荷する」という理念、つまり具体的な製品を完成させてから発表するという姿勢が、近年希薄になっているとの見方です。

その典型例として挙げられているのが、かつて発表されながら結局キャンセルされたワイヤレス充電器「AirPower」です。また、昨年発表された生成AI機能「Apple Intelligence」についても、iPhone 16発売時に主要機能が未完成であり、広告で示された魅力的な機能の多くが依然として提供されていない状況が批判されています。

かつてのAppleは、完成した製品を突然発表し、すぐに注文受付を開始するという「製品ありき」の戦略で知られていました。しかし、近年では「素晴らしい製品が控えている」「来年にも提供開始」といった、具体的な内容に乏しい漠然とした約束が増加傾向にあると記事は指摘。これは、未完成のアイデアを先行して発表することで、市場の期待を繋ぎ止めようとする姿勢の表れではないか、との懸念を示しています。

筆者は、Appleが再び「製品を出荷する」という原点に立ち返り、口約束ではなく具体的な成果で顧客に応えるべきだと締めくくっています。