Siri刷新版、主要アプリでテスト進行中か – 米国で2026年春ローンチの観測

Appleが音声アシスタントSiriの刷新版を、主要なサードパーティアプリや自社アプリでテストしていることが、Bloombergのマーク・ガーマン氏の最新報道で明らかになりました。テスト対象には、Uber、AllTrails、Threads、Temu、Amazon、YouTube、Facebook、WhatsAppといったアプリや、一部ゲームが含まれると報じられています。

WWDC 2024で発表されたこの改良版Siriは、ユーザーの個人的な文脈理解、画面上の認識能力、そしてアプリごとの詳細な制御能力が大幅に向上するとされています。これらの機能は、Apple Intelligenceと強化されたApp Intentsシステムによって実現されます。

 音声コマンドだけでアプリを自在に操作

新しいApp Intentsシステムにより、ユーザーはSiriの音声コマンドだけでアプリ内の操作を完結できるようになります。ガーマン氏によると、これにより「音声だけで特定の写真を検索し、編集して送信する」「Instagramの投稿にコメントする」「ショッピングアプリをスクロールしてカートに入れる」「画面に触れずにサービスにログインする」といった操作が可能になる見込みです。Siriがまるでユーザー自身のように、精密にアプリのインターフェース内で動作できるようになることを示唆しています。

この新機能は、iPhone、iPad、Macで利用可能となり、Apple IntelligenceはApple Vision Proにも拡大されます。

 米国でのローンチは2026年春か

Appleのティム・クックCEOは最近、Siriのパーソナライズ化について「順調な進捗」と述べ、今年延期された機能が来年ローンチ予定であると改めて表明しました。

ガーマン氏の予測では、新Siriは米国で2026年春にローンチされる見込みです。これは、iOS 26.4、iPadOS 26.4、macOS 26.4、visionOS 26.4の一部として、来年3月または4月にリリースされる可能性が高いとされています。ただし、新Siriが最初から全ての国で利用可能になるわけではなく、Apple Intelligence全体と同様に、段階的な展開になる可能性があるとも指摘されています。

 銀行・ヘルスケアアプリでの制限も検討

一方でガーマン氏は、Appleが銀行やヘルスケア関連アプリにおいて、Siriが内部テスト中に発生したような重大な誤作動を避けるため、一部の新機能を制限または無効にすることを検討しているとも報じています。

もしSiriの刷新が成功すれば、ガーマン氏は、Appleが15年近く前に描いた「音声による現実」がついに実現することになるだろうと見ています。