報道によると、アップルは来年にも折りたたみ式iPhoneを発表する可能性があるとされています。もし実現すれば、世界初のAndroid折りたたみスマホであるRoyole FlexPaiの登場から約8年、初代Galaxy折りたたみスマホから7年遅れての市場参入となります。

なぜアップルは折りたたみスマホ市場への参入がこれほど遅れたのでしょうか。同社はこれまで公式な声明を出していませんが、アップルは製品が高い品質基準を満たすまで市場に参入しないという歴史があります。特に折りたたみスマホに関しては、折り目だけでなくヒンジやその他の部品の耐久性に対する懸念が指摘されており、この課題の克服に長年を要したと見られています。

この8年間で折りたたみスマホの耐久性は向上しているものの、懸念は依然として残っています。この課題に取り組むべく、YouTuberたちが独自の耐久性テストを実施しているほどです。例えば、韓国のYouTuber「tech-it」は、サムスンGalaxy Z Fold 7を使い、手作業で20万回も開閉を繰り返すという過酷なテストを行いました。これは8時間以上かかる作業だったといいます。

「tech-it」のテスト結果からは、以下のような具体的な不具合が報告されています。
6,000～10,000回の折りたたみで初めて強制再起動エラーが発生し、その後約10,000回ごとに同様のエラーが頻発しました。約46,000回でヒンジからきしみ音が発生し、75,000回ではヒンジから正体不明の黒い液体が漏出しました（その後は確認されず）。さらに、175,000回で全てのスピーカー（受話口、上下）が機能停止しました。ヒンジは滑らかになったものの、フリーストップ機能は維持されたものの、弾力性が失われたことも判明しています。

これらの結果は一見すると壊滅的ですが、YouTuberのコメントにもあるように、このテストは極めて過酷であり、一般的な使用状況を想定したものではありません。数ヶ月間の日常的な使用であれば、Galaxy Fold7は問題なく機能する可能性が高いでしょう。

しかし、このテストは折りたたみスマホの耐久性に関する懸念を浮き彫りにしています。アップルはたとえ現実の使用状況を反映しないテスト結果であっても、このような問題は許容できないと考える可能性が高いと見られます。数千ドルにも及ぶ高価な製品であるiPhoneの場合、アップルは最高の折りたたみ式iPhoneを開発するため、同様のテストを人間が行うのではなく、ロボットを使って実施し、品質を徹底的に保証しようとしているはずです。