台湾の半導体大手TSMCは、次世代の2ナノメートル（nm）チップ製造プロセスに関する企業秘密が盗まれた疑いで、複数の従業員らが逮捕されたことを明らかにしました。

TSMCは内部セキュリティ侵害を検知し、台湾当局に報告。その結果、現役エンジニア1名と元従業員1名を含む計3名が逮捕されました。同社は、2nmチップの開発・生産に関する「重要な」情報への「異常なアクセスパターン」をシステム上で確認し、事態を発見したと説明しています。

2nmプロセスは、従来の3nmプロセスと比較して性能が10～15%向上するか、消費電力が25～30%削減されるなど、大幅な性能向上とエネルギー効率の改善が見込まれる最先端技術です。この技術には、従来のFinFET設計に代わるナノシートトランジスタアーキテクチャが導入されます。

TSMCはAppleの主要なチップサプライヤーであり、この2nmプロセスは、2025年発売が見込まれるiPhone 18シリーズに搭載されるAppleの次期チップ「A20」に採用されると広く予想されています。企業秘密の流出未遂は、今後の主要デバイスの性能にも影響を与えかねない事態として注目されています。