次期iPhone、価格上昇の可能性浮上：AppleのAI戦略とSiriの進化は？

夏の閑散期を迎え、Apple関連のニュースは少ないものの、今秋発表が期待される次期iPhone 17シリーズの価格上昇の可能性が浮上しています。米投資銀行Jefferiesのアナリストは、部品コストの上昇や関税を背景に、主要モデルで最大50ドルの値上げを予測しており、今後の動向が注目されます。

 価格上昇の背景と他社の動向

Jefferiesのアナリストによると、iPhone 17 Slim/Pro/Pro Maxモデルは、部品価格の高騰と対中関税の影響を受け、約50ドルの値上げが見込まれています。インドにおけるコスト増や、業界全体の関税によるさらなる上昇圧力も指摘されており、今後の価格設定に影響を与える可能性があります。

iPhoneに限らず、ストリーミングサービスのSpotifyやPeacockなど、他のデジタルサービスでも値上げが報じられています。AIの導入が人員削減や企業収益に影響を及ぼす一方で、製品・サービスの価格が上昇する傾向が見られます。

 AIとSiriの進化、そして買い替えの是非

こうした状況の中、AI機能「Apple Intelligence」への期待が高まる一方で、その主要機能の一部がまだ提供されていないとの声も聞かれ、買い替えの必要性に対する疑問も投げかけられています。

AppleはAI分野への取り組みを強化しており、ティム・クック最高経営責任者（CEO）は最近のアナリストとの電話会議で、Siriの「よりパーソナライズされた」進化について「良い進捗を遂げている」と強調。具体的な内容は伏せつつも、「この分野での取り組みに興奮している」「強い勢いが構築されているのは非常にやりがいがある」と述べました。

さらに、クックCEOはロードマップを加速させるためのAI企業の買収にも前向きな姿勢を示しています。「特定の規模の企業に固執することはない」とし、M&A（企業の合併・買収）の可能性を否定しませんでした。ソフトウェアエンジニア担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏も社内会議で、Siriの機能強化について「発表した以上の、はるかに大きなアップグレードを提供できる立場にある」と語り、期待を高めています。

 Appleの製品パイプラインへの自信

クックCEOは社内会議で、今後の製品パイプラインについて「これほど興奮したことはない」「素晴らしい」と述べ、その内容に絶対的な自信を見せました。これは、過去の製品パイプラインへの言及と比較しても特に強い表現となっており、今後のAppleの戦略への注目が集まります。

 慎重な検討を促す声

しかし、一方で価格上昇の可能性があり、全ての約束が果たされていない現状を鑑みると、今年のiPhoneへのアップグレードが自身にとって最適なのか、慎重に検討する時期に来ていると言えるでしょう。