Apple Newton、失敗作にして未来を予見した伝説のデバイス

Appleが1993年に発売したハンドヘルドコンピュータ「Newton」は、同社にとって最大の失敗作と評される一方で、モバイルテクノロジーの未来をいち早く示唆した画期的なデバイスでした。

発売当初、Appleの広報担当者は各技術誌の取材に応じ、今後の機能について意見を求めていました。ロンドンでの取材時、「バックライトかカラーか」という問いに対し、取材に応じた約10人のジャーナリスト全員が、口を揃えて「バックライト」と回答しました。

Newtonにカラー画面が搭載されることはありませんでしたが、ジャーナリストの要望通り、1996年にはMessagePad 130でバックライト機能が実装されました。Newtonは、後のスマートフォンの原型ともいえるコンセプトを提示し、モバイルコンピューティングの可能性を広げた一台として、その名を現代に伝えています。