WWDC 2025で発表されたiOS 26は、新たなインターフェース「Liquid Glass」が主要な目玉として注目を集めていますが、それ以外にもユーザーの日常体験を大きく向上させる数多くの新機能が搭載されることが明らかになりました。バッテリー管理の最適化から音楽体験の革新、セキュリティ強化、さらにはアクセシビリティまで、多岐にわたる改善が含まれています。

特に注目すべき主要機能は以下の通りです。

 ■ 自由な着信音設定が容易に

iOS 26では、任意のオーディオファイル（MP3やM4Aなど）をiPhoneの着信音として設定できるようになります。これまで複雑だったカスタム着信音の設定が、「共有」メニューから「着信音として使用」を選択するだけで完了し、操作が格段に容易になります。

 ■ セキュリティコードの自動入力が拡大

二段階認証（2FA）コードの自動入力機能が、Appleの標準アプリだけでなく、WhatsAppやGmailなどのサードパーティ製アプリやChromeのような他社製ウェブブラウザにも対応します。これにより、コードの入力手間が大幅に削減され、利便性が向上します。

 ■ バッテリーを賢く節約する「Adaptive Power」

新機能「Adaptive Power」は、AIアルゴリズムがユーザーのiPhone利用状況を学習し、パフォーマンスを微調整することでバッテリー寿命を延ばします。従来の低電力モードよりも穏やかに動作し、ユーザー体験を損なうことなくバッテリー最適化を図ります。この機能はApple Intelligenceに基づいているため、iPhone 15 Pro以降のモデルで利用可能です。

 ■ 充電完了までの時間をロック画面で確認

iPhoneの充電時に、ロック画面でバッテリーが80%に達するまでの推定時間が表示されるようになります。また、5Wアダプターなど低速充電器を使用している場合には、充電に時間がかかる旨を警告します。80%を超えた場合も、「バッテリー設定」から満充電までの推定時間を確認できます。

 ■ Apple Musicに「AutoMix」機能を追加

Apple Musicのサブスクライバー向けに「AutoMix」が登場します。この機能はAIを活用し、プレイリスト内の曲間をDJのようにスムーズにミックス。従来のクロスフェードを超える自然なトランジションで、音楽体験を一層豊かにします。ただし、対応する音楽ジャンルは限定されます。

 ■ 進化したメッセージフィルター

メッセージアプリの受信トレイが自動的に「メッセージ」「不明な差出人」「スパム」「最近削除済み」などに分類され、重要なメッセージを見つけやすくなります。さらに、未読メッセージのみを表示するフィルターも追加され、メッセージ管理がより効率的になります。

 ■ AirPodsが高音質マイクに

AirPods Pro 2およびAirPods 4（H2チップ搭載モデル）が、iPhoneのカメラを操作できるだけでなく、高精細なマイクとしても利用可能になります。これにより、クリエイターは別途マイクを用意することなく、AirPodsを使って高品質な動画音声を録音できるようになります。

 ■ バックグラウンド活動の継続

新たなAPIの導入により、アプリは長時間かかるタスク（動画のエクスポートやファイルのアップロードなど）をバックグラウンドで継続できるようになります。ユーザーは他のアプリに切り替えても作業が中断されることなく、効率的なマルチタスクが可能になります。この機能は開発者によるアプリのアップデートが必要です。

 ■ リアルタイム翻訳「Live Translation」

「Live Translation」は、電話通話、FaceTime、iMessageチャットをリアルタイムで翻訳する画期的な機能です。FaceTimeでは翻訳された字幕が表示され、電話通話では内容を文字起こしするだけでなく、ユーザーの言語で読み上げられます。この機能もApple Intelligenceを基盤とするため、iPhone 15 Pro以降のモデルに限定されます。

 ■ 「Visual Intelligence」が画面全体に拡大

「Apple Intelligence」を搭載したiPhoneでは、カメラを向けることで物体やシーンを認識する「Visual Intelligence」が、iPhoneの画面上の情報にも適用されます。スクリーンショットを撮影し、検索したい部分を囲むだけで、その内容について詳細を調べたり、関連する情報を見つけたりできるようになります。こちらもiPhone 15 Pro以降のモデルで利用できます。

これらの多岐にわたる新機能は、ユーザーのiPhone利用体験をより便利で直感的なものへと進化させることでしょう。