Appleの新デザイン「Liquid Glass」に賛否両論、視認性と過去の教訓が焦点に

Appleが次期OS「xOS 26」のベータ版で導入した新デザインスタイル「Liquid Glass」が、ユーザーの間で大きな議論を呼んでいます。その「透明性」を巡っては賛否両論が巻き起こっており、中には「嫌悪感を覚える」といった批判的な声も聞かれます。

Engadgetのデヴィンドラ・ハーダワー氏は、Liquid Glassを「Windows Vistaをうまくやったもの」と評しつつも、多くの人が「醜い」と感じていることを認めています。標準の壁紙では見栄えが良いものの、ユーザーが自身の壁紙を設定するとデザイン上の問題が生じる可能性が指摘されています。

 Windows Vistaの亡霊？透明性が招く視認性問題

2007年にリリースされ、その透明なデザイン「Aero」が賛否を呼んだWindows Vistaは、ユーザーから強い不満を買いました。Liquid Glassもこれと同様に、透明性が過剰であるという批判を受けています。

特に、先日リリースされたxOS 26ベータ4で透明度がベータ3よりも高められたことで、SNSではAppleウォッチャーからの不満が噴出。具体的な問題として、ポッドキャストアプリの操作ボタンが透明度によって読みにくくなったり、Safariのタブ選択が分かりづらくなったりする事例が報告されています。また、メールアイコンの封筒が透明になったことには、過剰な展示欲のようだと指摘する声もあります。

 デザインの潮流とAppleの選択

こうしたデザインの変更が、2000年代半ばの「スケウモーフィズム」（実世界のデザインを模倣するスタイル）へのノスタルジーが高まる中で行われたことも、批判の一因となっています。一部のAppleファンからは、Microsoftのデザインではなく、むしろApple自身の過去のデザイン哲学に戻るべきだったという意見も聞かれます。

しかし、記事はWindows Vistaの真の失敗はAeroのデザイン自体ではなく、むしろドライバーの互換性や起動時間の長さといった技術的な問題にあったと指摘。その上で、AppleのxOSにはそのような技術的な問題は見られないとし、長期的にはLiquid Glassのデザインも改善され、透明度が調整される可能性を示唆しています。

今回のLiquid Glassに対する不満の声は、長年のAppleファンから上がっているのが特徴です。これは、AppleがSiriの改善や各国の規制対応といった、より大きな機能的な課題からユーザーの目をそらす効果も持ち合わせているのかもしれません。